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2020年01月02日
1月2日の夢(渋谷のデストピア)
メトロの渋谷駅から降りて、エレベーターに乗る。階数表示板には数字のほかに「T」という符号も打たれていて、ぼくはそのボタンを押してしまう。乗り合わせた男女が「えっ?」という表情でぼくを見る。
「T」というフロアで降りる。デパートのはずなのに、そこには何もなく、廃墟のようだ。仕方なく階段を降りる。階段には浮浪者の男たちがぎっしりと寝ている。うっかり一人の男の上に傘を落としてしまい、男は「何をするんだ?!」とぼくにすごむ。こわごわ男たちの脇を通り抜けて、階下のデパートとして営業しているフロアに降りる。そこでもお客の姿は少なく、納入業者が店長らしき男に何事か激しく譴責されている。一階から隣のビルに行こうとする。そこもぼくの記憶では同じような商業ビルのはずだ。だが、ビルは見当たらず、右手の丘のように小高くなった緑豊かな道を沢山の男女が急ぎ足で歩いて行く。きっとその方向にJRの渋谷駅があるのだろう。その道を人々と反対方向に、巨大な銀色の馬のような動物が一人の農夫に引かれていく。戦後初期の農村のようなのどかな風景だ。慌てて写真を撮ろうとするが、撮りそこなう。ふと足元から声がするので見下ろすと、犬ほどの大きさの継ぎ接ぎされた鯉のぼりのような玩具が、ぐるぐると輪を描いて歩いている。それがしきりに女の子の声でぼくに話しかけるのだ。カメラで何枚も写真を撮っているうちに、体表の一部が剥がれて中に少女の顔が見える。そばにいた女性が「かわいそうに、こんなところに押し込められているのね」と声をかける。
投稿者 isshiki : 2020年01月02日 12:48