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2020年12月29日

12月29日の夢(ポエフェス)

 毎夏恒例の大規模なサマー・ポエトリー・フェスティバルが六本木で行われる。六本木は播州平野のような広大な緑の大地だ。ここで日本を代表する詩人たちがそれぞれの持ち時間を使い、五時間にわたるパフォーマンスを繰り広げるのだ。すぐそばでお化粧のパフをはたきながら、女性詩人のNが「まだ開演まで時間があるわよね」と言っている。そうだ、まだ時間があるので、準備のため四谷まで戻ろうと思う。
 四谷は欅の緑の葉が風に揺れる雑木林になっている。集合時間の3時15分までに戻ろうと、ぼくはバス停に行く。余裕で戻れると思ったのだが、そこはバス停ではなく、観光バスの停車場に過ぎなかった。旗を持ったガイドの周りに大勢の観光客が集まっているだけだ。時計を見ると、もう集合時間を少し過ぎている。慌てて(記憶が飛んでいる)なんとか会場に戻るが、既に出演者へのプレゼンテーションは終わっており、ぼくは何時ごろ何分朗読をすればいいのか分からない。うろうろしているとすれ違った男性が「服が切られているよ」と注意してくれる。見ると、ぼくの着ているコートもスーツもナイフで切られたらしく、ずたずたになっている。歩いているうちに、服が脱げて半裸になっていくのを、ぼくは必死で食い止めようとする。
 トイレに入る。トイレは石段の上にあり、トイレの床はごろごろした石ころが敷き詰められ、立っているのも不安定だ。男たちと並んで用を足すが、ぼくは片足靴が脱げて裸足なので、他人のおしっこがかかるのではないかと気が気でない。おまけに列に割り込んで、卑猥なことをする男もいて、みんなが一斉に動揺する。
 ようやくトイレの人込みから出ると、ロビーで出演者たちが紋付き袴姿で椅子に座った男性の前にひざまずいて挨拶している。ぼくも真似をして、ひざまずきながら「ぼくの出演は何時ごろで、誰の後になりますか」と尋ねる。
 気がつくと、元カノのOがすぐそばにいて、燃えるような怒りの目でぼくを見ている。ぼくはそれを無視して自分の出演するステージへと進んでいく。

投稿者 isshiki : 2020年12月29日 22:08

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