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2006年09月20日
第7回 ハンノキのコンサート(1)
台峯の自然保護運動を進めるにあたり、その感性を通したものにしようとコンサートもしばしば催され、それにはこの地のシンボル的なハンノキが冠されている(利益は環境保護に使われる)。それを先日の台峯歩きの後、聴きに行った。
会場はお寺の本堂である。広々として天井の高いお堂のご本尊の前で、開け放たれた庭から風や虫の音など自然の空気が流れ込んでくる中での演奏は、音楽堂とはまた違った趣がある。最近、この辺りではこのようにお寺で開かれることも多くなった。
内容はやはりクラシックが多いのだが、今回は二十五弦筝と薩摩琵琶である。
午前中歩いて、快い疲れをしているので、琵琶など聴いていると、途中で眠くなるのかもしれないと思ったが、確かにふうっと夢うつつになりそうなところもあったけれど、日本の古典楽器が今の息吹を吸って若々しく甦った演奏には目が覚め、感動した。
演奏は、薩摩琵琶は荒井靖水、二十五弦筝は荒井美帆の若いご夫妻であるが、ジャンルを超えた演奏で国内海外を問わず大いに活躍している実力者であるようだ。普通の琴より弦数の多い琴は、いっそうハープに似て、いかにも日本的と思われる琵琶も、時には猛々しくまた嫋々として、素晴らしく息が合っていた。
演奏題目は、
『忘れ水』 演奏も作曲もお二人で。
『巌流島』 伝統的な勇壮な琵琶の曲、琵琶のみ。
『糸の道』 演奏はお二人で。作曲は武智由香(西洋音楽を勉強後伝統楽器の作曲も多く手がけ、国内外で活躍高い評価をえている作曲家)これはフランス、ニース国立美術館委嘱作品。
折りしも次の日だったか、TVで関口知宏さんが、NHK伝統和楽団の若い女性演奏家たちを引き連れて、カナダのメープル街道を演奏して歩く番組が放映されていたが、そのメンバーも琴、三味線、琵琶、尺八の演奏家たちで、彼女らが森の中や街頭、教会などで演奏していき、人々と交流していく。前の日の演奏を思い出し、音楽も人もそして自然も国境を越えたものだ、としみじみ感じた。
実はこの演奏は、コンサートの第2部である。1部については回を改めて書くことにします。
投稿者 kinu : 2006年09月20日 15:10