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2007年06月07日
初夏の「ゾリステン コンサート」。
みるみる緑がふくらんできました。
あまりに伸び放題にしていた庭木を、思い切って切り詰めてもらったのですが、またぐんぐんと枝葉をのばしているのを見て、植物の生命力のたくましさを今さらのように感じています。しかしその伸び方の違いがとてもはっきりしていて、ここにも生存競争のきびしさが窺われえます。すなわち邪魔だと思っている木の方がすぐさまぐんぐん伸び、伸びて欲しいものはなかなか新芽すら出さない。人間の勝手などに左右されない、彼らの掟があるわけです。雑草と名づけられるものが、いかに逞しいかというのも、この時期よく分ります。
こんな日の先日、コンサートに出かけてきました。実はこの会が結成されて15年を迎えるとかで、弦楽奏者16人ほどからなるこの演奏会は最初から最後まで和やかな雰囲気に包まれていました。
曲目は
E.H.グリーク 組曲「ボルベアの時代より」 作品40
F.シューベルト ヴァイオリンと弦楽合奏のための
ロンド イ長調 D.438
F.シューベルト(マーラー編曲)
弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 「死と乙女」 D.810
グリークの曲はリズムカルで、舞曲の楽しさがあり、チェロのソロが気持ちよくひびきます。またシューベルトの四重奏曲はアダージョのゆったりしたところや軽快なところで愉しく、独奏者は漆原朝子さんで、素晴らしい音色にうっとりさせられました。これはシューベルトの唯一のヴァイオリン独奏と弦楽合奏の曲だそうです。
「死と乙女」は、身体的衰えを感じ始めた頃の作品だそうで、シューベルトの絶望感や悲しみが美しい音色の中からほとばしり出てくるような曲ですが、それゆえに泣いた後の安らぎのような快さを感じます。
今、一番昼が長い季節。まだそれほど暑くない、初夏の宵(この言葉を気象庁はあいまいだとして使わないことにしたとか・・)はゆったりとしていて、好きな時間です。でも少しだけ悲しみを底にたたえた・・・。
投稿者 kinu : 2007年06月07日 15:56
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