2007年08月22日
南風洋子さんを悼んで
残暑というより猛暑のぶり返しで暑い。
昨日の新聞で、南風さんの訃報（77歳）を読んで、驚いた。
というのもほんの先ほど、民芸の舞台で、毅然として若々しく、華やかなその姿を拝見したばかりだったからだ。
7月1日のブログに、その紹介と感想を書いていますが、その時はすでに病を内にもち、それを抑えての演技だったのだろうかと思うと、胸に迫ります。
「林の中のナポリ」は、山田太一さんの書き下ろしで、南風さんを主人公に設定しての作品であるという。
少女時代の引き揚げ体験、故郷の神戸での2度の空襲などの人生の重みを一杯抱えながら、宝塚のトップスターを経て民芸に、そこでもいまや北林谷栄、奈良岡朋子さんらにつぐ代表女優として活躍されていたのに・・・・。（民芸にはお嬢さんの若杉民さんがおられます。）
ブログにも簡単に入れたけれど、この作品は南風さんを象徴するような作品であった。たくさんの悲しみ、傷み、苦しみを現実には抱えながら、自由にはばたく夢を持って、すっくと独り立ちして生きる、いや生きようとしている美しい老齢の女性を主人公としているからである。
劇ではペンションのオーナーたちをはじめ若い宿泊客たちにも、そんな生き方の自由と、それへ向わせる勇気を与えた後、そのなぞの老婦人は一体どこへ行ってしまったのか、暗示的に終わるのも、何やら南川さんの最期にふさわしいような気がする。でもこれは全く私の後から考えた一人解釈で、私の眼の中には、ただただ気品に満ちてきりっとした南風さんの、美麗な姿だけが残っているという事です。
どうかあの世でも、うつくしく輝いていてください。
ご冥福をお祈りします。
投稿者 kinu : 2007年08月22日 15:07
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コメント
活き活きと舞台で活躍していらっしゃる方は、いつまでも若くそして病気を寄せ付けず長生きされると思い込んでいました。
小さなガンならやる気ホルモンで消滅させられるのではないかと思っていました。
今年の夏は熱風が渦巻いて最高に異常でした。持病を持ってらっしゃる方にはつらかったのではないでしょうか。
8月14日は急性の肺炎でフアッションモデルの山口小夜子さん（57歳）もお亡くなりになっていてショックです。
倒れていたのを知人が発見したとかで、こと切れるまでの時間を一人で耐え抜かれたのでしょう。どうしてもそこのところを考えてしまいます。
投稿者 獅子童丸 : 2007年08月22日 22:54
私も山口小夜子さんの訃報記事を見て胸が痛みました。その若さにもです。肺炎というのも理解できない感じでした。
でもモデルという職業が、体形を維持するためには厳しい食事管理をしなければならず、それが人間の自然からは離れたものになって健康を損ねるという記事が、追いかけるように出ていました。美というのは何だろうという思いで、妖しいほどの美しさをもつ彼女の姿に見惚れました。まだそれほどの年齢ではなく、そして美しいままで・・・とはほんとうに勿体ないです。
投稿者 kinu : 2007年08月24日 22:54
内容とは関係ありませんが、kinuさんと獅子童丸の投稿時間の
２２：５４分が２日遅れでいっしょです。
行く先々で亡きお二人のことがやはりよく話題になります。
生まれてくる時も、亡くなる時も一人だねと感慨をもらしています。
親しい人に確認して欲しいのが人情でしょう。
投稿者 獅子童丸 : 2007年08月25日 07:09
私も送信した時に、アッと気がつきました。
まあ偶然でしょうけれど、獅子堂丸さんは霊界とつながりがあるようなので、そんな事もあろうかと思いました。何しろあの世の人が話題でしたから。
また最近、死ぬ時の事をよく考えます。
投稿者 kinu : 2007年08月26日 11:06