« 一寸先は闇 | メイン | 蛍がたくさん飛びました »

2008年06月19日

台峯は田植えの時期

今回は30人くらいの参加者のうち、珍しい事に三分の一ぐらいが初参加の人で、案内のKさんもちょっと張り切っていました。やはりこの会も常連の高齢化がみられ、後に続く人たちが望まれていたからです。
それで、最初にこの会の成り立ちや経過をさっと説明されたのですが、21世紀に入ってからのこの5〜6年、行政の対応が変わってきたとのこと、むしろ行政の方が意識が進んでいる場合があり、むしろ単純で保守的な住民の方が問題になってきた有様だとのこと。里山の保全についても、100年のスパンのモニタリングが計画されたりして、この会に対しても向こうから意見を聞いてくれたりもするとのことです。
世の中が少しずつ動いていくのを感じます。

今回は田んぼが活き活きしてました。
第一の田んぼでは、田植えの最中。と言っても白い髭を蓄えた人が独りで苗床から苗を運び、植えているのです。大掛かりな田んぼと違って、収穫はその半分、労力は3,4倍も掛かるこの米つくりは、その人の代で多分なくなるでしょう。この田んぼは水源を持っていず、すべて谷戸から出てくる絞り水に拠ります。ですから冬は乾いてしまう普通の田んぼとは違って、常に湿っている。それでそこには貴重な生き物はたくさん生息できるのだそうです。たとえばシオカラトンボ、冬場に湿っているので幼虫が生きられるとのこと。ここがすべて宅地になって家が建ち並んだ光景を想像すると哀しくなります。
そこに至る少し手前でコジュケイの親子を目撃しました。この鳥の大きな鳴き声は、特徴がありよく耳にしますが、姿はなかなか見られません。それがなぜか草むらで堂々と姿を見せて歩いているのです。
その姿が見られただけで、今日出てきた甲斐があったと、言う人もいます。
第二の田んぼはまだ畦=くろ、つくりの段階でした。しかしここでは周囲に宅地開発がすでに迫り、売り出しの幟がはためいています。来年はどうでしょうか。
ホトトギスが盛んに鳴く声を聞きながら谷戸への道に入っていくその時、Kさんが小さな蛇の死骸を見つけました。30センチほどの灰色の紐のようにしか見えないそれは、ヒバカリというおたまじゃくしを餌にしている蛇だそうです。独りで歩いていたらぜんぜん気がつかないものです。Kさんは言います。毎日歩いていても、自然は常に形を変え、その度に何か発見していろいろ教えられると。
その死骸を使って蛇のつかみ方を教わりました。おそるおそるちょっと触ってみました。
さて、蛇に尻尾があると思いますか? 全体が尻尾であるわけはなく、尻尾はちゃんとあるのです! ということも教わりました。

さて、いよいよ谷戸に入ります。ニホンミツバチは健在でした。少し前、その姿が見えないので心配していたのだそうです。TVでアメリカ農場では大量に蜜蜂が死滅して農業に大きな被害が出ているというのを見たばかりでした。けなげなニホンミツバチよ、いつまでもこの木の洞で子孫繁栄させてくれるようにと願いながら、そっとそのそばを通り過ぎました。
湿地のハンゲショウはまだ、白くなっていませんでした。舞台に出るお化粧(漢字は違いますが)はまだのようです。蛍が出てくる頃も間もなくです。今年は2回に分けて蛍観察が行われます。私も参加したいと思っているのですが・・・・。

投稿者 kinu : 2008年06月19日 15:36

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.a-happy.jp/blog/mt-tb.cgi/4009

コメント

コメントしてください




保存しますか?