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2009年09月21日
初秋の台峯
昨日の日曜日。台風は太平洋沖を通過して逸れ、秋晴れの気持の良い日になりました。
恒例の台峯歩きの日、連休で遠出が多いせいか参加者は14人、程よい人数でした。
彼岸間近で秋の気配も色濃くなり、毎年感心するのですが、彼岸花もちゃんと姿をみせてくれていました。
森や林の緑も勢いを失って衰え始め、桜を手始めに少しずつ色づいていきます。TVで大雪山の見事な紅葉をみて思わず声をあげそうな見事さでしたが、しかしそれも僅かな期間、まもなく雪に閉ざされていくようです。それに比べてこの辺りの紅葉は地味で、しかもゆっくりと12月半ば頃にかけてじわじわとしか進みません。その分春も同様、ゆっくりと春の気配も顕わになります。東北のそれら急激な変化とは違うその微妙な変化もまた別の味わがあって自分は好きだ、と案内のKさんは言うのでした。
今回は秋の昆虫を中心にした観察となりました。しかも今日の夕方は「松虫の音を聞く夕べ」が催されることになっています。この虫は有名で、チンチロリン、と鳴くと言われますが、その声を聞いたことのある人は少ないでしょう。私もまだです。
通称「老人の畑」にたくさんいるそうです。松虫自身の生息地は少なく、ここと城ヶ島にしかいない貴重種になっているようです。
先ずコオロギ、これもたくさん種類があって、よく見られるのだけでもエンマコオロギ、ツズレサセコオロギ、オカメコオロギ、ミツカドコウロギ、クチキコオロギなど、姿や生息場所や声などいつもの資料で。
庭の低木で鳴く美声のコオロギに「クサヒバリ」というのがあり、名前も綺麗だし小型で羽根も透明で美しいのですが、きっとこれまで聞いていても、気がつかないままでいたのかもしれません。そのほか「マダラスズ」というコオロギは、畑や街中の駐車場(土の上に砕石をしきつめたような場所)には必ず多数いるそうです。これはジー、ジーと区切ってなくそうですが、小さな声なのでなかなか気がつかないのだということ。「シバスズ」というコオロギは、名前のように芝生や低い草地、畑の周辺に見られ、ジージーと連続して鳴く。
その他これも有名なカンタン。私も聞いたことのあるカネタタキ。また今や何処の街路樹にもいて大声で鳴きしきっている外来種のアオマツムシ。
もちろん皆見たわけではありませんが、それらを参考にしながら歩きました。
2箇所の田んぼは健在で、黄金色の穂を揺らしています。その上をトンボ…、実は普通赤トンボといっているのはウスバキトンボという種類であることが多く、これはあまり竿の先などには止まらない。竿の先に止まるのはアキアカネという、これが本当の赤トンボだとの事。この赤トンボはこれからがシーズン。胴の赤みも季節が進むにつれて次第に濃くなっていくといいます。今飛んでいるのは多くがウスバキトンボでした。(これは6月ごろ台湾から渡ってきて産卵し、8月ごろ生まれるが、越冬できないままで終る。ショウリョウトンボとも言う。学校のプールなどでも大量に生まれることがあるとも)のんびりと竿先のようなところに止まることなくひたすら飛び回っているのは、そういう命の短さを知っているからでしょうか。
シオカラトンボはそろそろ終わりごろ。
そのほか老人の畑では、バッタ類も、ショウリョウバッタ、オンブバッタ。ツチイナゴ、クサキリなど、そして松虫も確かにいることを確認。今夕の催しが期待されます。
草花は、同じタデでも、イヌタデ、ハナタデ、ボントクタデ、シロバナサクラタデなど、確かに姿の違うタデがあることに感心。また珍しいナンバンギセルにも逢えて満足しました。
投稿者 kinu : 2009年09月21日 14:41