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2010年11月28日
インド音楽 シタール演奏を聴く
ちょうど2年前のこの時期、ブログにも一度書いたことがあるこのインド音楽の演奏会に、今年も昨日聴きに出かけた。
シタール演奏は、ヨーガ教室の堀之内博子先生の夫君、幸二先生である。
三味線とギターを合わせたようなシタールという楽器は、インドの代表的な弦楽器で13世紀ごろ古来からのものを改良して作ったのが始まりという、北インド音楽で使われる楽器である。本胴と共鳴胴は乾燥したトウガンから作られ、長いネック(三味線の棹に当るか)は特殊な木材。当初は3本弦であったが、後に7本になり、現在では18~20本の弦を持つ洗練されたものになったとのことだが、そのうち18~20本が共鳴弦ということからも分かるように弾き方はギターのようだが、旋律が共鳴して深く広がりのある音色をひびかせるようだ。1オクターブが22の微分音に分けられるというのもよく分かる。複雑微妙な自然の音色に近いのかもしれない。
シタールのほか、前回と同様タブラというインドの太鼓、演奏も前と同じ龍聡さん。今回は、タンブーラ(今野敬次)というシタールを一回り小さくしたような楽器が加わりこれは低音部をずっと奏で続ける。
前回も書いたが、旋律も時間帯に沿ったものになるというのも、音楽があくまでも自然の中にあるということを意味する。今日は夜のラーガから始まった。会場は真っ暗になり、演奏者の前に置かれた、小さな蓮の花の中に蝋燭を灯したような小さな照明だけで演奏される。少し聴き慣れたせいかもしれないが、同じようでありながら微妙に変化している旋律は、懐かしい瞑想的な世界に引き込まれる感じがした。
休憩(この間、マンダリン紅茶とクッキーが饗された)を挟んでの第2部の最初は、日本の歌、赤トンボや五木の子守唄などが演奏される。
シタールは三味線のルーツとされるというように、日本の古い旋律と同様5音階であることから、そういう日本人の心に響き懐かしく感じられる民謡と共通するところがあるようだ。沖縄の島歌もそうであり、結局そういうものすべては通じ合うのかもしれない。タブラの繰りかえされる響き、それは16音符であり、シタールもそのリズムに乗って奏でられる。両者が合わなくなると迷子になってしまうそうである。微妙なタイミングのタブラのリズムは、何となく日蓮宗徒が叩くウチワ太鼓の テンツク テンテン ツクツク というリズムにも通じてくるような気がした。
最後は朝のラーガという曲で終ったが、1時間半というのは短く、もう少し聴いていたかったと思う。林間で静かに目をつぶって瞑想しているような気分にひと時を過ごして、早くも年末商戦で賑わう横浜の雑踏を抜けて帰ってきたのだった。
2010年11月22日
紅葉し始めた台峯ほか
少し遅れていましたが、このあたりもやっと紅葉し始めました。
穏やかな小春日和の昨日は、恒例の台峯歩きでした。
今回は、K高校の生徒が男女合わせて7名、郷土を知るというような課外活動の一環らしく先生1人と一緒に加わりました。ここでも高齢化が進んでいる現実があり、若い力は頼もしく、Kさんはじめ理事の人たちは彼、彼女たちに関心をもってもらおうと面白く分かりやすい説明をと努める様子。かれらを先立てて一行は歩き始めました。
この季節はやはり紅葉(黄葉)とはいえ、少しずつ色は違い、また落ちた葉っぱを観察する機会でもあり、カラーコピーの写真はいろいろな紅葉が並んでいます。野の花は少なく、又地味なものばかり、その中でも飛び切り地味なヤブタバコとシュウブンソウは、Kさんが昔から好きだった花で、若い時にそう言ったら、ずいぶん渋い好みですねと妙な顔をされたとのこと。確かに花とは見えない花なのです。その他シラヤマギク、リュウノウギク、これらは区別が分からなければ単にノギクとしてひとくくりにして目に入ってきたものです。成る程教えられれば確かに別種なのです。
あちこちで色鮮やかな紅葉便りが報じられていますが、この辺はこれからで、しかもゆっくりと地味な変化で、でもそれなりに味のある変化をするということは前にも書いた覚えがありますが、今回はその紅葉の遅速を簡単に覚えることにしました。
一番早いのは桜ということは、私にも分かりますが、遠目に見て、あの紅・黄葉の木は?となると分かりません。
桜の次に早いのはケヤキ、これは褐色です。クヌギは今半分ほどが黄葉、アカメガシワ、エノキも黄色い。でもコナラは12月に入らなければ色づかないのだそうです。カエデはもう紅・黄葉していますが遅速があり、時期も長い。紅の色鮮やかなのはハゼ。(雑木林のことを言っているので、銀杏はここでは言わない)
この辺のもみじの原種は一番シンプルなイロハカエデだそうで、それはやっと紅葉し始めていました。
秋は心淋しくなる季節ですが、紅葉した風景の中に包まれると、その反射を受けて自然に明るさがしみこんでくる気持がします。我が家でもやっとドウダンやカエデに赤みがさし、またブナも日々黄色い部分が増え今はすっかり黄葉。ハゼの木も(真上なので見あげねば見られませんが赤くなっている)。いつの間にか木をよじ登っている山芋の葉っぱが、真っ黄色なアクセントをつけています。それらの下で、ツワブキが黄色い花を咲かせ、南天の赤い実が鳥を呼んでます。草木はすべてこの季節、厳しい冬を前に賑やかに命を燃えあがらせている感じ。華やかではないけれども明朗で鮮やか、穏やかなこの季節の、この庭が私は好きです。