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2012年04月15日
「台峯歩き」、珍しく桜に出会う。
歩く会は、毎月第3日曜日と決まっているので、4月に桜と出会うことはほとんどない。例年ならば若葉になっているからだ。ところが今年は開花が遅れ、しかも1日が日曜日だったこともあって、花の盛りに出会ってしまった。昨日は冷たい雨が終日降って、これで散ってしまうのではと思っていたのに、はかなく見えるその花の命は思ったよりはたくましく、ほとんど満開のまま残っていたのである。勢いのあるもののエネルギーだろうか。
空気は雨に洗われてすがすがしく、午前中は陽射しもあって(午後遅くから曇ってきたが)、山際は薄霞におおわれながらも、急な暖かさに一斉に芽吹き始めた様々な色合いの緑の中に紅の彩をそえて、歩く会としてはたぶん初めての花見の会ともなったのではないだろうか。
この辺りで春の初めにまず目に付くのはキブシの花だが、それがまだ残っていて、桜と同居しているのなど、これも例年にない光景である。
桜だけではなくその他の花や昆虫も春と初夏のが一緒に今見られる、まさに「北国の春」の様相だと、Kさんも顔をほころばせながら言う。道端には小さな花をつけた野草がいっぱい。立ち壺スミレは我が家の庭もそうでしたが、ここでも例年になく多く、ムラサキケマン、ホトケノザ、オドリコソウ、カキドオシ、ホウチャクソウ、ヤブニンジン。
田んぼにはタネツケソウ、タガラシ、そしてもうシュレーゲル・蛙が鳴きしきってうるさいほどでした。
鳥たちも帰っていく冬鳥とやって来る夏鳥がともに見られるとのこと。桜の咲くころはその蜜を吸いにメジロやヒヨドリがやってきますが、そのヒヨドリは実は渡り鳥で、その群れを先日見たという言う。(10月から11月、北に帰っていくが全部ではなく一部はとどまっているという)。
この辺りの地形は縄文時代からの地層が残っていて、その断層が見られる崖もある。また海に近い旧鎌倉方面は、水質が悪く古くは水を買っていたという。それに反して北斜面が多い北鎌倉辺りの水質はよいというのを初めて聞いた。そういえばわが家の辺りはあちこちに湧水があるのも、山の水を集める川がないので、それが地層を通って湧き出ているのであろうか。
見晴らし台に当たる通称老人の畑からの眺めは素晴らしかった。すなわちここは、前回ブログに入れた六国見山が、線路のある谷間を挟んでちょうど真向かいにみえる丘陵であるからだ。「花と柳を扱き交ぜて」というなだらかな山の風情と色合い、また鶯があちこちで啼き「処処啼鳥を聴く」という一節が思い浮かぶ。
歩きの終わりごろに寄る水辺では、トビゲラ、カワニナ。そしてまだ少しだがアメンボウがすいすいと、またホトケドジョウも泥の中からちょっと姿を見せたりした。
今日の歩きは異常気象もあっての幸運な一日となったが、これを幸いとするかはたまた心配の種とするかは微妙だが、とにかく自然というのはいくら観察を続け研究してもいつまでも分からないことばかりである、というのがKさんの持論である。ということで、この今を十分に楽しむことしかない。
2012年04月13日
六国見山の桜、やっと満開になりました。
全国的に遅れていた桜前線も、急ぎ北上していますが、六国見でも満開を迎えました。
ここは山桜や大島桜といった古い種類が多く、またその下で花見をするというよりも、里や畑から眺めたり、尾根筋を歩いて鑑賞するような感じですから、街中にある公園とは違った風情が楽しめます。特に今年は、初夏を思わせる暖かさと雨が通り過ぎた今日、幕が切られたように、白と薄紅色の花が、急に芽吹き始めた木々の若葉の、まだ芽吹かない常緑樹の深い緑の中で落葉樹の黄色っぽい緑、白っぽい緑、鮮やかな緑などのグラデーションに華やぎを加え、微妙で柔らかな春の山の風景になっているのに驚きました。
例年ならばもっと緩やかな変化をするはずなのに…。今日からまた、お天気は崩れるとのことですから、今日がまさに見頃でしょう。
ソメイヨシノも、高校の周りのは前日の雨に打たれ多く散っていましたが、それでもまだ残っていましたし、民家の敷地にある大きな古いソメイヨシノの少し遅れていたのは、まさに散る寸前という感じで、爛漫と咲いていました。でもこれは空き地になっているため残っているもので、この土地が宅地になれば伐採されるか、小さく剪定されてしまうことでしょう。
それで気がついてみれば、我が家の小さな庭も一斉に芽吹きと開花、花は雪柳、ヒイラギ南天、黄水仙はもう終わりごろで、何故か立ち壺スミレが一面に広がり、サクラソウ、ムスカリ、雲間草など。早くも都忘れやシャガの花が咲き始めました。これから眺めるほうの眼も、またそれに急かされて、怠けがちながらそれらの世話に、わが身も忙しくなりそうです。