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2021年06月13日
「個展のこと」
昨年12月の個展がこの6月に延期されていましたが、それも緊急事態宣言下になってしまいました。一応企画展なので画廊ASK とも相談しました結果、今年12月6日(月)〜18日(土)に決まりました。画廊のある京橋の通りも、美々卯が撤退し寂しくなったそうですが、年末には少し賑わいを取り戻しているのではないだろうか、という判断です。
コロナの状況下、皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。 私は、川崎市、町田市、横浜市、と三つがぶつかる場所、つまりどの市の中心からも遠い辺鄙な場所で、静かにコンスタントに描いています。若い頃、大江健三郎氏の小説に多大な影響を受けながらも、彼の書くものによく出てきた「習慣」という言葉に軽い反発を感じていました。「惰性」に陥るまいと思っていたんだろうと思います。今、年老いて体力が落ちてくると、まさにその「習慣」をよすがに暮らしていると思います。以前と同じようにはできない。あれをしながら、これもする体力はない。他のことは出来なくても1日にこれだけの時間だけはアトリエに入る、それだけで必死です。
それでもこの時期、美容柳や紫陽花が華やかに咲き、一人ぼっちの生活を励ましてくれます。ヤモリの子供たちがもつれ合って日光浴をして気持ちよさそうです。オオルリが美声を響かせ長く長く鳴いて、そんなにアピールしたいの?恋をしたんだね、と微笑ましい限りです。
刻々と近づいてくる私の終わり、その予感を感じつつ、それを画面に定着できるか、できないか、私の絵の価値はそれで決まるだろうと自覚しています。12月近くになったらご案内差し上げます。どうぞお元気で。
井上 直