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2007年02月17日
LPの夢現3
やっとお目当てに辿り着いたときは半日過ぎていた。
見当がついてしまうと、こんどはいろいろな指揮者、演奏者のバージョンがあって選択に迷うほどだ。なのに、アンセルメは、ああアンセルメちゃんは、ない。ない。なんでない?
ジャケットに、ヨーロッパの古い城のような凝った屋敷のような写真をデザインしている一枚があった。それを見て、はたと思い出したのだった。
記憶から抜け落ちていた引越し先のこと。一時期、叔母の家にやっかいになったこと。
叔母の家は江戸川のほとりにぽつんと佇む古い洋館で、子どもの頃から親に連れられ静岡の片田舎からよく遊びに行ったものだった。長じて、ほんの数ヶ月か世話になったことがあるのだがその記憶を忘れていた。
ん?あそこじゃないか、記憶を置き忘れてきたのは。
他に格別予定もないので久しぶりに訪ねてみることにした。幸いというか災いというか市川には知己もいることだし。
と急転直下、踵を裏返して総武線方向に向かうOzでした。つづく、か
2007年02月05日
LPの夢現2
店に入って陳列棚の前に立ち、さてっと気合を入れるのだが、CDというのはどうもスーパーかコンビニで買物をするようでときめきがわいてこない。
LPの頃がなつかしい、などとあらぬことを考えながら目当ての曲を検索するのだったが、ふとあることに気がついた。
おいおい、作曲者が誰なのかど忘れしているぞ。
あれはたしかプロコフィエフだったか、と誤検索したところで、まあこれも失くしているしと先にこちらを手にする。そしてアルヴォ・ペルト。ついでにクセナキス……と、金もないのにコンビ二気分。
とりあえずこっちを先にと、レジのカウンタに持って行き目当ての曲の作曲家を尋ねる。
「あのー、死んだ王女のためのパヴァーヌの作曲家ってだれでしたっけ?」とOz。
すると「はあ〜?亡き王女のためのパヴァーヌですね!」とやけに甲高い声できっぱり。(まあそうもいうか)
そしてさらにオクターブぐらい甲高い声で「その作曲家ですか?(知らないの?と太田光調)」と。(おいおい声が裏返ってるぜ)
周囲の視線が一斉にこちらに集中するのがわかる。
とほほ、まるで罪人にでもなったかのようでなんともいたたまれない。そそくさと勘定を済ませ目当てを置き去りにして店を出てしまった。二度とこねーからな。と、はるか先の「HMV」へと再チャレンジするOzでした。つづく、かも
2007年02月02日
LPの夢現
ruriさんのアルヴォ・ペルトに関するブログ記事と獅子童丸さんとのコメントのやりとりを読んで、アルヴォ・ペルトという作曲家はぜんぜん知らなかったけれど、近代音楽の楽曲を無性に聴き直したくなった。ひとつは「死せる王女のためのパヴァーヌ」という曲。中学か高校の頃で記憶がアレだけど指揮者がアンセルメという人だったか、いたく気に入っていた。
それで手持ちのLPをすべてひっくり返して捜してみたのだが、ない。ない。ないったらないのだ。あれー?あれはたしか、そうだ、何度も引っ越しているうちにどこかへ置き忘れてきてしまったにちがいない。どこへ忘れてきたのだろう。
なにせ14回も引越しをしている。最初は横浜の金沢文庫、次は本牧根岸、白楽、妙蓮寺、菊名、そして世田谷深沢、舞い戻って横浜小机、また世田谷代田、新小岩、勝どき、佃、佃2、晴海
あれ?一つ足りない、どこだか一ヶ所思いだせない。
そうだ、そこにLPを忘れてきたに違いない。
と、夢現で銀座山野楽器へ向かうOzでした。つづく