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2009年01月25日
早とちり 2)
米軍の前線兵士には黒人やヒスパニック系の非白人が圧倒的に多いといわれる。
国家の守り手であり暴力装置の先っぽを、被差別者や貧者、失業者が担っているというムジュンした事実。軍というものが彼らを吸収し救済する安全弁になっているということでもある。
軍が国家の正規の守り手とすれば、わが方の町の八九三は裏の自警団だった。八九三もまた、はぐれ者や流れ者、異国人、兵隊くずれ、そして失業者たちの受け皿だった。住民たちがおもて向き厄介視しながらも内心頼りにしていたのは子どもにもわかった。子どもらや若いもんの度が過ぎる逸脱を許さなかったのも彼らだった。
子どもの頃の八九三のイメージはいまでいえばフーテンの寅さんに近いものだった。寅さんはテキヤだがまぎれもない八九三だ。
あの阪神大震災の救援活動でいちばん頼りになったのが警察でも自衛隊でもなく地元の八九三だったことはあまり知られていない事実である。
八九三はまがりなりにも住民の生活に根ざしていたし知恵でもあった。
が、軍は外に向けた意図的な暴力装置であり、うち向けには目くらましの安全弁だ。
平和憲法でもないアメリカ憲法をしきりに強調しながらアフガニスタンへの再侵攻を主張する背後に、来たるべき大失業時代を想定した隠れたネラいがあるのではないか。
それが気になって早とちりをやっちゃったわけだけれど、あとで気が重くなる条件反射だった。
2009年01月21日
早とちり
今日になってオバマ大統領就任演説の詳細に目を通したら、昨夜のリアルタイムの印象および中継の事実関係の把握にだいぶ勘違いがあった。
やはり急いてはアレだ。引っ込めて、ちゃんと整理し書き直そう、と再考。
オバマ大統領就任演説は翻訳記事をちゃんと読めばもっともで、文句のつけようのない全方位の世界回復宣言だった。ダイジョブ、マイフレンド
ファシズムと紙一重の熱狂にクールダウンを図ったのか、退路を断ったのか、開けたのか。
リアルタイムでセレモニーを見ていたときには単に八方美人のノーテンキ(ノーチェンジ)にしかみえず、なにを言いたいのかわからずガッカリしたが、じつは爪を隠しているなあと再認識した。ことに憲法のくだりでは。
憲法を守護するにも爪がいる。米は軍だろうが、おいらの町にはかつて八九三がいた。
つづく
2009年01月17日
有楽町と宝クジとK-20(2)
けっきょく入場料1,800円で、宝クジの臨時名目収入もサヨナラ、サヨナラ。
全席指定席です!と、もぎりのおねえさんが強調するからまあそんなお代かと素直に階上の館内に入ると、それにしては空席が多い。あの小行列はなんだったのか?
それでも白髪頭だけは予想どおりやたらと多い。
怪人20面相は往年のヒーローというかヒールだし、懐かしさで思わず子どものように吸い込まれちゃった白禿頭が多いんだろうなあ。わたしみたいに。ああサーカス小屋、と、感慨を深くしながら予告編などを見せられていた。すると不意にだった、思いがけないメッセージが目ん玉に飛び込んできた。
「毎月1日、映画の日は1,000円!シニア(60歳以上)はいつでも1,000円」
一瞬、目ん玉が¥になった。世界の本当をはじめて理解したのだった。
あのもぎりのおねえさんはなんでひとこと言ってくれなかったのだ。
イイほうに考えてもワルいほうに考えても身の程を知る出来事だった。
映画のほうはまさしくサーカスで、入ってよかったが。
2009年01月16日
有楽町と宝クジとK-20
歯医者に行ったついでに有楽町へ出て、数寄屋橋の宝クジ売り場で年末ジャンボの当たり券というかハズレ券の確認をした。
この売り場は大当たりが日本一多いというのが評判で、発売期間中はいつも数百人が列を成す。そこに並んだことはまだないが、クジの結果を確認しようなんてケチな列を見たこともない。通は自分で確認するだろう。
閑散としてはいたが有楽町のゲンをかついで希望を託すと「キャッホーやったぜ」カウンターに3200...と数字が並ぶ。それいけもう5桁と期待したが4桁で終わった。が、3,200円だ。上出来じゃないか。
しかし考えてみると投資が3,000円じゃんと気がついた、スカ喜び。まあ銀行に預けるよりはましだったか、と、気を取り直し有楽町マリオンをくぐって帰ろうとしたところ、マリオンのなかの映画館の入場券売り場あたりで閑散とはいえない人だかりに出会った。
並んでいる大半は見るからに高齢者だ。映画館の看板にはK-〇0とある。なんだなんだ、厚労省あたりの前期高齢者まやかし映画か?おれは高齢者じゃないぞと思いながらもよく見ると「K-20 怪人20面相伝」とある。なんだかヘンな気分になり抵抗しながらも"怪人20面相"のタイトルの誘惑に逆らえず宝クジの数字の余韻もあって行列の最後尾に並んでやった。
つづくや