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2012年03月11日
電子ブック漂流記 4)
今度の電子ブック維新はApple社のiPadから起動した。
わたしにとってもそうで、そのインパクトはビートルズ、ピストルズの時と同じぐらい鮮烈
だった。
iPadそのものは電子ブックを読むためとは限らない多用途の端末装置(デバイス)だ。けれど、そのフロアには電子ブックというワンダーランドへの扉をひらくカギが周到に落とされていた。それが主役であるかのように。
このあたりの経緯は以前紹介したことがあるが、かくして「iPad → 電子ブック・リーダー → ePub」というワンダーランドへの道筋がひらかれたのだった。ePub形式にライセンス料がかからないことも大きかった。誰でもePub形式の電子ブックを作成し公開できるということ。そして読める。これがじつは決め手になった。
一方、「XMDF」や「ドットブック」は有償で、ことにXMDFは高額なライセンス料を要し、大手出版社等にしか扉がひらかれていなかった。大手出版社にしても本音は電子ブックの普及を警戒していたから、XMDFを導入したとしても一部の売れ筋ジャンルを除いて取り組みは消極的だった。よって、ニポン発の電子ブックは限定的にしか広まりようがなかった。ここにきて黒船ePubに倣って、XMDF作成のためのツールが無償化され(販売にはライセンス料が必要)いくらかハードルは低くなった。
ヨコ書きの自由と縦書きの不自由。そんな舶来と国産の悩ましい問題。そこに絡むソフト、ハードにわたる技術的問題。本は誰のものかといった問題。権利関係、国際標準。それらの決済は次のステージへ持ち越されるかもしれない。
が、オルタナティブな道もじつはある。あった。
続く
投稿者 oqx1 : 2012年03月11日 01:56