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2012年03月12日
電子ブック漂流記 5)
電子ブックらしさというのは、文字中心より、やはり画像や映像といったイメージ構成の妙にあるのではないか。
「Alice for the iPad」という電子ブックを初めて見たときますますそう実感した。
もちろん携帯図書館としてたくさんの図書を持ち歩け、いつでもどこでも好きな図書が読める、それが電子ブックのいちばんのメリットではある。が、それだけではいまひとつ醍醐味というか面白みに欠ける。
個人が自分で電子ブックをつくる場合、これを一般に"自炊"と言っているが、いちばん多いのが紙の本をページごとにイメージスキャナでデジタル画像に変換し、それをPDFやePub形式に再構成するというものだ。かなり手間のかかる原始的なやり方だが。
そこでは文字は画像として扱われるわけだが、最近のデジタル機器は高性能で、画像化された文字でも見栄えは紙印刷の状態と比べてほとんど遜色がない。むしろそれゆえ、パソコンなど端末装置に組み込まれた機種依存文字(フォント)より審美性が高く、バラエティにも富んでいる。
このことからもわかるように、文字をはじめから画像として扱えば、フォーマットや技術的な背景など関係なく"縦書き”は実現する。これをもう一歩押しすすめれば、文字(縦ヨコ問わず)、イメージ画像、さらには音までパッケージ化した魅力的な電子ブックを実現できることになる。もちろんePubで、だが。
続く
投稿者 oqx1 : 2012年03月12日 20:04