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2005年05月03日
バライロガモに
バライロガモに
*
ワニやトラたちの群れる
ガンジスのほとりに
バライロガモよ
君は ひっそり ひとりずまい
空一面の 夕焼けでも眺めてたのか
今は流行らない
孤独な詩人みたいに
けれど 湿原は拓かれ
君たちの魂は どこかへ去った
風のような鳴き声と
うつくしい球形をした卵と
そこに秘められた
遺伝子のながい夢といっしょに
…そうして
町の市場にならんだ君たちの肉は
どんな味がしたのだろう
バラ色の夢が
飛び去ったあとで
(バライロガモはインドの湿原に、四月の繁殖期以外常に一羽で
棲んでいた、頭部がバラ色の静かな美しい鳥。湿原が開墾され、
今世紀前半に絶滅した。)
投稿者 ruri : 2005年05月03日 16:25
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