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2005年05月03日

バライロガモに


バライロガモに

ワニやトラたちの群れる
ガンジスのほとりに
バライロガモよ
君は ひっそり ひとりずまい
空一面の 夕焼けでも眺めてたのか

今は流行らない
孤独な詩人みたいに
けれど 湿原は拓かれ
君たちの魂は どこかへ去った
風のような鳴き声と
うつくしい球形をした卵と
そこに秘められた
遺伝子のながい夢といっしょに

…そうして
町の市場にならんだ君たちの肉は
どんな味がしたのだろう
バラ色の夢が
飛び去ったあとで



(バライロガモはインドの湿原に、四月の繁殖期以外常に一羽で
 棲んでいた、頭部がバラ色の静かな美しい鳥。湿原が開墾され、
 今世紀前半に絶滅した。)

投稿者 ruri : 2005年05月03日 16:25

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