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2005年05月05日

オーロックスの頁


オーロックスの頁

この地上が 深い森に覆われ
その中を オーロックスの群れが
移動する丘のように 駆けていたころ
世界はやっと 神話の始まりだったのかしら

貴族たちが 巨大なその角のジョッキに
夜ごと 泡立つ酒を満たし
ハンターたちが 密猟を楽しんでいたころ
世界はまだ 神話のつづきだったのかしら

やがて 森は失せ
あの不敵な野牛たちは滅び去った
うつろな盃と 苦い酔いを遺して
破りとられた オーロックスの長いページよ
世界は それ以来 落丁のまま…だ



(オーロックスは長い角をもつ、大きな野牛。飼い牛の祖先。
ユニコーン伝説のもとになり、旧約聖書にも登場する。
  角はジョッキとして珍重され、その肉は食べられた。
1627年に最後の1頭が死んだ。)
 

投稿者 ruri : 2005年05月05日 17:55

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