2005年08月12日
メイ・サートン
昨夜、メイ・サートンの、すてきな言葉をまた一つ見つけた。
これは、高橋茅香子さんの「英語となかよくなれる本」のなかで見つけた一節だ。メイ・サートンが八十歳の一年間を綴った『アンコール』という著書に記されているとのこと。
「もし私が四十歳で—彼は今四十歳なのだ—結婚していなかったら、絶対に彼に結婚してほしいと迫っただろう。彼が普通の男性とちがうのは、ロマンチックだということ……わたしたちはいろいろなことについて語りあった。幸せでいる義務、そして自分のまわりの世界つまり人間、植物、花、天候などを楽しむ義務を持ちながら、現代がかかえている苦しみや恐ろしさをできる限り意識していなければならない、と語りあった」
これは「あなたに似た人の書いたもの」という章のなかに引用されている。私はメイ・サートンの愛読者だが,この『アンコール』という著書はまだ読んでいなかった。このように共感する著者の文の中に、また別の作家のすてきな言葉を発見するのは二重の悦びでもある。
特にこのなかで、「幸せでいる義務」という言葉が心に刻まれた。これははっとするような印象的な言葉で、私はこれからも折につけ、この表現を思い出すことだろう。
投稿者 ruri : 2005年08月12日 22:04
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コメント
ほんとうに、いい言葉です。「幸せでいる義務」これはとても
納得できました。それと同時に、「現代がかかえている苦しみや恐ろしさをできる限り意識していなければならない、と語りあった」
というのは、まさにわたしが探していた言葉だとも思いました。言葉というものは、いつの時代でも、わたしたちに生きる方向を指し示してくれるものなのだなと改めて感じ入りました。
投稿者 白い道 : 2005年08月13日 02:21
[幸せでいる義務」、いい言葉ですね。今日の新聞(16日)の「伝える言葉」(大江)の中、憲法の基本的人権に関する言葉につうじますね。
それを憲法改正によって、戦争などの非常時においては、個人は何らかの犠牲を「受忍しなければならない」とするようです。そうさせてはならない、と彼は言っています。
投稿者 木苺 : 2005年08月16日 11:50
メイ・サートンは私も好きな作家です。
晩年の作品にENDGAMEというのがあり、(七十九歳の日記)持っていなすが、
「アンコール」というのはしりませんでした。是非呼んでみたいです。多分翻訳が出ているのでしょうね
投稿者 高沢英子 : 2009年09月16日 11:23