2005年09月16日
カラスの河
カラスの河
カラスが空を渡っていく
こわれた古い歩道橋の上を
カラスの河は鳴きながら
たそがれの黒い七つの森をさがしている
樹がたおれ 家がたおれ
どこまでも空が焼けている
でもだれも見るものがいない
時間だけがのこされて
大きなフラスコの底におちてゆく
カラスが空を渡っていく
こわれた黄色いガスタンクの上を
カラスの河はうたいながら
血のようにけむる夕焼けの空に沈んでいく
樹がたおれ 家がたおれ
どこまでも空が燃えている
でもだれも見るものがいない
時間だけがのこされて
大きなフラスコの底に溜まってゆく
(これは1978年遠藤トム也さんとコラボレーションのような形で”滅びゆく動物たちに都会の片隅から唄う”というコンサートを新宿でひらいたのですが、そのときに書いた詩です。作曲は南さとし氏。現在パリに住んでいるトム也さんは、その後もこれを大事に唄っているとききます。)
投稿者 ruri : 2005年09月16日 22:30
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コメント
20年以上も前だというのに驚きました。今これがぴったりですもの。少し早すぎたのかしら。今このようなことが行われるべきですね。もちろんいろいろなイベントがあるけれど、何か騒がしく賑やかなばかりで、心にしみてこないような気がするのです。私が古いのかしら。
投稿者 木苺 : 2005年09月21日 19:14