« 草地の時間(村野美優詩集) | メイン | 林檎ランプ 尾崎まこと »
2010年06月09日
またなの
久しぶりで更新します。今年前半も間もなく過ぎようとしています。2月から3月にかけて足の手術で入院するなどして、ずいぶんペースが遅れました。今日は中井ひさ子さんの「ブランコのり9号」からの作品を載せたいと思います。
またなの 中井ひさ子
こんな日は
考える人になって と
公園のベンチに座っていたら
昨日言ってしまった
ひと言が
からだのすき間から
聞こえてきて
ちりちり 痛いよ
またなの と
ラクダが
けむたげな目をして
通り過ぎていく
冷たいね
春だもの
微かに揺れている
桜も 木蓮も 菫も 大根の花も
とり集めて見よう
見渡せば
風の
大仰な身振り手振りで
もっと もっと
思い出してしまったよ
ぼくの
こぶの中にあるものなあに
帰ってきた
ラクダが聞いた
””””””””””””””””””””””””””
少ない語彙なのに、というかそのために、呼吸のリズムがびんびん伝わり、現実味を感じてしまう。とくにラクダ(中井さんのなかの一因子?)が生きている。一人称が(ぼく)で登場するのが印象的。(俺)とか(私)に入れ替えて見ると、空気が一変するのでおもしろかった。彼女はここですっと(ぼく)にしたのかなあ。今度きいてみよう。
投稿者 ruri : 2010年06月09日 11:23
コメント
開けてビックリ!
ようやく復帰されてうれしいかぎりです。
お祝いというのもナンですが
花火一発あげました ^^;)
投稿者 Oz : 2010年06月09日 16:13
Ozさま、花火の打ち上げ、聞いてビックリ!
後が続かないとまずいですね。がんばります。
投稿者 ruri : 2010年06月10日 11:19
ほんと うれしいです! いろんな詩読みたいですから じゃんじゃんアップしてください。
投稿者 自分の名前忘れた : 2010年06月15日 16:10
更新されていて嬉しく拝読いたしました。お身体どうか大切に......。
ruriさんが暮らしの中で楽しみながらのペースで、詩への想いを綴ってくださることが、読者としていちばん嬉しいです。
また、いろいろな素敵なお話と出会えることを、心より楽しみにしています。
投稿者 ひだまり : 2010年06月22日 11:38