2010年03月30日
時
時 恋人たちが一方通行の標識の下で 笑い合うべンチ 斜めの窓際で老人は最後の作品を 綴り始めた 恋人たちの躁病と鬱病への陶酔はなりやまず 老人の遺書は尊厳死に値する 友人の声は巧みな技で好意的 その反面 本性は果たし状 わからないの? 薄笑いを浮かべる年増の女の日記は 私を終焉の真っ暗森へ誘う 傾いた家屋は崩壊を続けながら 瓦礫たちが身にのしかかり 鈍い残響が鼓膜を打ち破る 助けて! いたずらに発した私の爆声に 見知った女が一人 私の首を絞めながら 「信じるってどうすることなの?」 私の後ろの私に問いただす その頃両親の危篤のメールは 確実に着信履歴に残っていて 穏やかな神の形見みたいな アメージンググレースの音楽が 訃報を告げていた ねぇ、今、何時?投稿者 つるぎ れい : 2010年03月30日 07:42
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