« 2010年12月 | メイン | 2011年02月 »
2011年01月18日
薔薇食い姫
薔薇食い姫
薔薇をあげましょ 枯れた薔薇たち
ライバルくらいは 蹴り落としてよ
苦悶が溶けないの あなたのせいね
意志の疎通すらも まるで駄目ダメ
悲鳴を上げて降参 首輪締めて哀願
面倒かけ致します これから一生涯
積み木崩しは開幕 持ちつ持たれつ比翼塚
身を詰まされる愛 歌うわ怪人オペラ座で
放さないわ独占欲 離れないはの自己主張
泣き真似はお見事 だから君には嘘をつく
詩とお酒の筆力で 薔薇食い姫に罪はなし
むすんで ひらいて
むすんで ひらいて 結んで下さい 私の手首 あなたの知らない 仕事中のネクタイで 開いてください 心の扉絵 バースデーには 飛び出すビックリな 独占欲の交錯で 手を打ってください 誰とでも寝たがるような 私の性欲を ワンルームへ 運んで調教 結んで下さい 十月十日 やや子が宿る そのように 股 開いて 手を打って 又 開いて その手を その手で…2011年01月14日
おとぎ話
おとぎ話 僕は君を失ったらきっと狂うよ オフィーリアの意識が浸透してくるベッドの中で 僕は夢見心地で君にささやく 「狂ってから、死のうか」 貴女のいない世界に一人 生きる強さが僕にはない それではあなたを食べてあげましょう 彼女は言う 一生懸命一片の肉片も残さず 食べてあげるわ 「女郎蜘蛛」だね あなたが言ったのよ 私のことを「けなげな女郎蜘蛛」だって じゃあ、僕は食べられちゃうんだね そうよ、あなたは誰からも好かれるから 誰にも渡さないの 重いな・・・君の愛は・・・ でもそれくらいの重い枷が 僕には丁度いい でも食べたその後は? そうね あなたを身籠るわ 他の誰のところにも転生できないように そして身籠ったその後は? あなたを産むわ そしてあなたはに私に恋して 激情の果てに壊れればいい 壊れて死んだその後は? また食べるのよ 素敵だね 素敵でしょ そう笑い合いながら 僕は再び彼女の体に滑り込む 彼女は幽妙な海底 色情の恋獄に僕を繋ぎ止め 味わいながら巧みに踊る もう僕は戻れないほど溺れきっているのに 彼女のおとぎ話は終わらない愛は風化する
愛は風化する 君に何度も「愛している」「必ず幸せにする」 と、言っていたのに 僕は、今日死ぬ 空虚感に襲われた街で 遺言状をばら撒いたら 「チンケな広告なら間に合ってるよ!」とのあざ笑いが 頭上のカラスの糞と一緒に落とされた 聖人が 「地上に不必要な人間などいないのです。」 と、語るその名言こそ不必要 そんな言葉を鵜呑みにしたら だらだらと煩悩の数だけ生きのびてしまうよ 坊主とて女遊びをする時代 気楽にそれを冗談にできるボキャブラリィなど 僕は持ち合わせていなかった 君に 「僕は今日死ぬから。」 というと、君は 「一緒に死にたい。」 という 多分それは予想していた答え 情死に3回失敗した三文物書きみたいにはなりたくなくて 「僕の息の根が止まるのを確認してから、君は死ぬんだよ。」 と、お願いすると 君は美しく笑って小さく頷いた できれば僕の死体が無様であることを祈る 君に死への恐怖が訪れることを 僕への愛が嘘っぱちの空っぽであったことを この猿芝居は一人舞台だったと 弱虫の僕が強がって飛び降りたグランドキャニオンの奈落の底 そこから僕には記憶がない ただ君が、僕の知らない誰かの横で 花のように笑っていてくれたらと思う 遺言状は漫才のネタになるが 僕を、ねぇ、もし僕のことが 君の中で風化するなら 僕の肉体が砂塵になり 君の目に入った時は 「あれ、なぜ、泣いてるのかしら?」 と、彼氏の前で思いっきり笑って見せてくれ 激しい蜜月の形見を弔いに 愛は虚空を彷徨い続け やがては 思い出と共に風化する2011年01月13日
デメテル
デメテル