« 抒情文芸 146号 春 小島ゆかり 選 佳作短歌 | メイン | 惜春 »
2013年03月11日
はぐれる
はぐれる
それをして楽しいですかという人に楽しいですよという寂しさ
暗闇に電球の灯りひとつだけ世界に響け携帯の指
悲しみを足しても割れぬ性格を瞳を閉じて飲む錠剤
悴んだ指先ひとつ燃える火を怒りと呼ぶな号泣と呼べ
朝が来るいつものように朝は来る起きてる夜に私は亡霊
静寂に包まれ身体はコチコチと骨を削る音(ね)時計コチコチ
うまくやれうまくやれよとよわたりをうらもおもてもあるいてわたれ
置き時計短針長針ずれてゆくそんなふうにはぐれ外され
僕の声叫んでみても憎しみが飛び出すだけの冬の空き部屋
投稿者 つるぎ れい : 2013年03月11日 22:58
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
https://www.a-happy.jp/blog/mt-tb.cgi/13983