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2018年02月22日
踊る猫
お腹が空き過ぎて、猫が踊る。猫が踊る。
トイレを我慢し過ぎて、猫が踊る。猫が踊る。
締め切り前に、猫が踊る。猫が踊る。
上司の駄洒落に、猫が踊る。猫が踊る。
((最近私は、猫の鳴き声を聴いていない
((どんな声で鳴いていたのか・・・?
「ニャンという幸せ!」
・・・・やっぱり上司の駄洒落に、猫が踊る。猫が踊る。
勤務先で、猫が踊る。猫が踊る。
有無も言わさず、猫が踊る。 猫が踊る。
目が回るほど、猫が踊る。猫が踊る。
「ニャンとかなるさ!」
((ニャアあああああああああァァァ・・・嗚呼・・・!
※
猫、ついに気絶、/
、/おどる猫、おわる。
※(ネコフェス・掲載作品)
ひとさらい
人攫いが家に来た
革靴はいて背広着て
お父ちゃんを借金のかたに連れ去った
人攫いが家に来た
病気ばかりする子はいけないと
私を家に帰しに来た
人攫いは呟いた
いつまでも この稼業じゃ儲からない、と。
街にはびこるスポットライトの巨大な電子看板
ネオンの空とレインボータワーが 色と高さを競い合い
地上でテールライトが長い尻尾の残灯を燻らす
街頭にも路地裏にも道先案内人のスマホが喋り
同じ顔したビルの窓辺にチカチカ光るスライドショー
横顔だらけの会社員、一夜漬けの説明会
※
街がサーカス小屋になった今、
子供をさらって何になろう
街が眩しくなった今、
誰も人攫いを怖がらず、
誰でも人攫いの顔をして、
すべてで人攫いを馬鹿にする
※
私の父を 怖い顔で連れて行った人攫い
私の手を引いて 心配そうに家に帰した人攫い
(私、くだらない大人になりました
(今からでも どこかに攫っていただけますか
私は人攫いと手を繋ぎ
温かな、暗い所へ行きました