« 「ポットホール」 新井啓子 | メイン | 「イタリック体の都市に住む秘密の言葉」金遠倞キムウォンギョン 韓成禮訳 »
2009年06月03日
「夕暮れの印象」李秀庭イ・スジョン 韓成禮訳
夕暮れの印象 李秀庭 1974生まれ (世界を新しくする詩4)
鍵盤一つを
ダーンと
打ち下ろす。
張り詰めて震える絃、
「ファ」の音階を飛び超えた
馬たちが、
一万頭ほど
手綱を切った馬たちが
走る。野原がいっぱいに
青いたてがみに覆われて
野原の果てまで駆けて行った馬たちが
塩辛い水の揺れる海の中に
跳びこむ。海に入った馬たちが
積みあがり積みあがり
黒い水嵩を成したまま
揺れながら横になる。
あなたと私の仲
瀑々とした水平線に
赤い鍵盤を広げた
夕焼けがかかり、
馬の鳴き声で深くなる
闇が来る。
投稿者 yuris : 2009年06月03日 11:07