2月9日の夢(東京のない世界地図)

 出張から会社に戻ろうとする途中、同僚二人とばったり会い、彼らについて行く。そこは誰でも使える貸事務所のような場所で、広い室内に楕円形のテーブルがいくつも置かれており、ごったがえしている。テーブルはパーテーションで仕切られ、仕切りごとに2~3脚の椅子が置いてある。同僚たちが座った仕切りには2脚しかなかったが、強引に近くの椅子を引き寄せ、三人で座った。

 ここでぼくらの会社で制作している新しい巨大な世界地図の校正をするのだ。大陸の地形は昔通りだが、知っている国名はほとんどなく、全く見知らない世界に変貌している。日本列島に目を向けると、東京すら存在しない。とりあえず地名を素読みしていくが、それが正しい表記かどうかも分からない。

 終わって引き上げようとして鏡を見ると、ぼくの額に赤紫の大きな痣ができている。旧ソ連のゴルバチョフ大統領の痣にそっくりだ。皮膚科の医者に行こうと、JRの駅に行く。そこはまるで戦後の駅のようで、電車はすし詰め状態。ドアが閉まりかかるのをなんとか突破して乗り込む。降車して駅のガードをくぐるが人けのないトンネルを抜けた先に皮膚科の医院はない。

カテゴリー: | 2月9日の夢(東京のない世界地図) はコメントを受け付けていません

1月26日の夢(会議室)

 会社で自分のパソコンが不調なので、欠勤中の女性社員のパソコンを借りて仕事していると、「早く並んでください」という声がする。

 某大企業のクライアントたちが何人も会議室に来ていて、大きな仕事を任せるにあたって、ぼくの会社の全社員面談を行うという。入り口で順番を待っていると「二階へあがれ」と声がした。また階段を昇り、別の会議室に移動する。

 順番を待つ行列の一番目はKくんで、ぼくは二番目だ。二人は会議室の中を覗き込むようにして、中の様子に聞き耳を立てる。ちょうど一人の面談が終わった。クライアントたちはしばらく協議に移る。彼らの会話が漏れ聞こえてくる。「今度の仕事は詩人の黒田三郎に関するものなんですよね」「まだここに来ていないけど、一色さんという方がよく知っていると思います」「でも現場が遠隔地だから、無理かもしれないですね」…… ぼくのような高齢社員にはもう仕事は入らないだろうと思っていたので、ぼくは彼らの話に心底驚いてしまう。なんだか左足が半分麻痺しているようにも感じる。そこではっと気づいて後ろを振り返る。会議室の内部を立って聞き耳を立てているのは、ぼくとKくんの二人だけで、あとの同僚たちは廊下のベンチに皆、おとなしく一列に座っているのだった。

 協議を終えたクライアントたちは鞄を手に、各自さっさと引き上げていく。どうやら昼食休憩になったらしい。ぼくも自席に帰ろうとするが、階段の途中に誰かが注文したらしい出前のうどんが置かれている。じゃまなので動かそうとすると、ぐらぐらして危なっかしい。器の下に小さな皿が置かれているので、かえって不安定なのだ。出前の盆は持ちやすいよう、下に皿が置かれているが、床に置くとかえって不安定になるのだなと思う。

 オフィスに戻る。三列にデスクが並んでいる。二列目の真ん中が社長のU氏のデスクだ。ほかの社員のそれと全く見分けがつかない。「社長なんだから、もっとちゃんとしたところに大きなデスクを構えればいいのにね」と同僚に話す。

カテゴリー: | 1月26日の夢(会議室) はコメントを受け付けていません

1月25日の夢(欠落した階段)

 駅のホームから階段を昇って会社に戻ろうとすると、途中で三段の欠落があって、それ以上昇れない。工事の人に尋ねると、「上へ行く階段は今すべてこうなっています。でも使っていただいても構いませんよ」という。もう一度昇ろうとするが、やはり欠落した三段の幅は足が届かないから、無理である。「これじゃ昇れないです。それに階段の上の事務所で働いている同僚たちは皆これを知りません。昇るも降るもできないじゃないですか。一体工事はいつまでかかるんですか」と抗議すると、「6日から2週間ぐらいかな」と答える。「えーっ、その間、上に閉じ込められた人たちはどうするんだ?」とびっくりする。

 クライアントの男性と地方に出張することになる。工事の影響でお弁当が用意できない。途中の駅のホームは無人だが、先端にある石のベンチにお弁当がわりのプラスティックトレイが二つ並んでいる。トレイの中身はナポリタンだが、パスタが縦に一本ずつきちんと並べられている。ぼくとクライアントはそれを一本ずつお箸でつまんではベンチに並べる。これはクライアントが用意してくれたんだろうか。それともぼくが自分で用意したものだったか。

 夜の闇に沈んだ川面に機械のようなものが見える。それを見てクライアントは「ああ、あれがそうですね」と言う。ぼくは「違いますよ」と否定する。「昔、オイルショックのあと、物が皆なくなって、コーヒーとかもすごくまずくなったことがあったでしょう?」 すると「ああ、そんなことがあった、あった」と彼は言う。「ええっ? この人、そんな頃にもう生まれていたんだっけ」と、若いはずのクライアントの顔を改めてしげしげ眺める。

カテゴリー: | 1月25日の夢(欠落した階段) はコメントを受け付けていません

1月16日の夢(宇宙旅行を申し込む)

 Sくんから「宇宙飛行に応募しよう」という電話が入ったので、承諾する。いや、それなら妻も誘った方がいいだろう。でも抽選だから、三人でまとめて選ばれるものだろうか、と思う。

 Sくんと電話に乗る。席がなく座れない。と、Sくんが何もないところからシートを引っ張り出した。二人で座れる席ができた。

カテゴリー: | 1月16日の夢(宇宙旅行を申し込む) はコメントを受け付けていません

1月15日の日記(脱線電車で行こう)

 出勤のため電車に乗った。一番前の席に座る。見ると運転手はぼくの勤める会社の社長ではないか。

 その運転は危なっかしく、たちまち電車はレールを外れ、道なき道を走り出す。ちょっとハンドルを切るだけで、大きく蛇行運転するので、危ないことこの上ない。すぐにコンクリート道路の端から左側の崖を転落してしまいそうだ。ようやく停車場にたどりつこうとするところで、電車は大きく左に傾く。恐怖にかられたぼくは窓から脱出する。そこには有刺鉄線が張られていたが、痛みも気にせず、ぼくはそれを乗り越える。

 おかげで少し遅刻したが、「おはよう」と周囲に声をかけながら出社する。オフィスは畳敷きで、そこに座布団を敷いて座る。気がつくと、慌てて窓から飛び出したので、ズボンをはき忘れている。やばいとうろたえるが、派手なデザインなので、半ズボンに見えないこともない。そのままひざ掛けをしてごまかす。

 オフィスの縁側近くにいろいろな品物がたくさん並べられている。ぼくが置いたものらしい。庭に降りて土の上にスリッパで文字を書く。「ツツミ……」で始まり、最後は「ツ」で終わる。だが「ツ」という文字がなかなかうまく書けない。同僚が「これは何?」と尋ねてくる。「一応、占いとかしますんで、これは屋号なんですよ」とぼくは答える。

カテゴリー: | 1月15日の日記(脱線電車で行こう) はコメントを受け付けていません

12月29日の夢(引っ越し)

 妻と都電に乗り、晴海あたりで降りる。車内も街路も群衆でぎっしりと埋め尽くされている。そこはぼくらの引っ越し先で、部屋には段ボールが一つと梅干のような丸いものが一個置かれているはずだ。パソコンを詰めたバッグを抱えて降りようとした瞬間、豪雨が襲ってきた。「あそこまで走るんだ」と二人は声を掛け合う。

カテゴリー: | 12月29日の夢(引っ越し) はコメントを受け付けていません

12月21日の夢(映画撮影)

 ぼくは映画スタッフとして撮影に参加している。今日の撮影はナレーションの録音だ。しかし監督のキューが出たのに、ぼくはうっかりガサゴソと音を立ててしまう。もちろん大ブーイングである。ナレーションブースの中の女優も不満そうにぼくを睨みつける。

 カットになったところへ、同僚が「経理の〇〇さんがお呼びですよ」と呼びに来る。ぼくは「そういえば〇〇さんとはもう何か月も会ってないな」と軽口をたたく。経理課のある建物に向かいながら「〇〇さんて、下の名前は何だっけな? どうせ用件はまだ広島出張の精算が済んでない件だろう」と考える。

カテゴリー: | 12月21日の夢(映画撮影) はコメントを受け付けていません

12月9日の夢(宇宙からのメッセージ)

 ぼくと妻は宇宙人だが、地球人に身をやつし、宇宙からの使者として潜入している。人々がどやどやと集まってきた。役所とも学校ともつかぬ建物の入り口である。「どうなるんだ? どうなるんだ?」と声を上げる人々をぼくたちは廊下の奥へ招き入れ、「安心してください。宇宙人はもう来ています」とメッセージを伝える。

カテゴリー: | 12月9日の夢(宇宙からのメッセージ) はコメントを受け付けていません

12月1日の夢(洗濯機が壊れた)

 よそのマンションの道路際の庭に、洗濯機がいくつも置かれている。誰でも使えて便利なので、出勤前にそこで洗濯するのが日課である。

 ある日、洗濯機が新型に変わっている。スイッチを押して数分して戻ると、もう洗濯終了になっている。だが開けてみると、汚れた水の上に洗濯物が浮いており、おかしい。もう一度スイッチを押すが、やはりあっという間に洗濯終了になってしまう。

 マンションからよその奥さんたちも出てくるし、隣近所の人たちも通行している。部外者だと気づかれまいと、洗濯物を別の台に移し、蓋の中を覗き込んでなんとか洗濯機を正常な状態に戻そうと焦る。

カテゴリー: | 12月1日の夢(洗濯機が壊れた) はコメントを受け付けていません

11月20日の夢(谷川俊太郎さんとの対話)

 自宅の近くを歩いていると、谷川俊太郎さんに誰でも質問できる会が開かれているという。興味が湧いて、会場のマンションの会議室へ行く。

 さすがに人気詩人らしく、質問希望者の列がぐるりと円を描いている。「一色さんだ」という声がするので見回すが、知った顔は見当たらない。靴を脱いで部屋に上がり、谷川さんと対面する。年齢のせいか憔悴した顔は、右半分が左に比べて小さく縮んだようだ。

 「ぼくが入社してすぐ、谷川さんの翻訳による『マザーグースのうた』がうちから出版されて大ヒットしましたね」。谷川さんとそんな思い出話をいくつもしているうちに、疲れたのか彼はふいと向こうへ行ってしまう。そろそろ潮時だなと思って、引き上げることにする。参加者が脱いだ靴がぐるりと円を描いて並んでいる。いくら探しても、その中にぼくの靴が見つからない。

カテゴリー: | 11月20日の夢(谷川俊太郎さんとの対話) はコメントを受け付けていません