4月17日の夢(蛇と貉)

 机の上に本がごちゃごちゃと置かれている。そこに赤いミミズのような蛇が現れ、巨大化するかと思えば、机の外にこぼれ落ちたりする。妻に「机から蛇が出る」と訴える。かたわらには書棚があるが、そこから不意に貉のわうな獣が躍り出て、妻の後を追う。ぼくは床に落ちている竹の棒を必死で手に取り、振り回すが、なかなか獣には当たらない。

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4月14日の夢(マー君のインタビュー)

 プロ野球投手のマー君をインタビューするために四国へ出張した。川を渡ろうとすると、橋の真ん中に穴があいていて、その中から「おーい、誰か助けてくれ」と声がする。覗き込むとマー君が顔を真っ赤にして叫んでいるので、助け上げる。

 地上に無事戻ったマー君に「今日、ぼくがインタビューする予定だと、分かってました?」と尋ねると、驚いた顔をする。並んで歩きながら「ここでキャンプなんですか?」と言うと、けげんな表情だ。しまった。もうリーグ戦が始まっているのに、なんて愚問なんだと反省する。「以前、新人の頃にもぼくのインタビュー受けたの、覚えてます?」と言うと、記憶がないという。

 ふと違和感を感じて下を見ると、ぼくの履いている長靴の足先が両足とも大穴があいていて、指が丸見えである。これはまずい。彼を助け上げたのだから、もしかしたらお礼に新品を買ってくれないだろうか、と考える。だがそんなことはおくびにも出さず、「ランチを食べに行きましょう」と言うと、素直に「はい」と言う。とりあえず母と泊っているホテルに寄るというので、ついていく。人々がたくさんいるロビーのドアを開けて、「ジ・エンド」とマー君が言う。なにげなくついていこうとして、そうかここから先はついてくるな、という意味かと了解する。しかししばらく待ってもなかなか彼は戻ってこない。一人の若い男が出てきたが、それは別人だった。

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4月6日の夢(合評会)

 ウォーターフロントの高層ビル最上階のガラス張りフロア。ソファーの快適なこの部屋で新しい詩の合評会を始めた。十人ほどのメンバーの中に妻も加わっている。作品を提出している10人ほどのうち、なぜか最後の人だけが欠席だ。詩の読み方がいつも同じでつまらないとクレームをつける参加者もいる。

 ガラス張りの壁面の向こうは大きな空で、西日がいっぱいに差し込んでいる。カモメが飛んでいる、と誰かが言う。「港町だから当たり前だよ」とぼくは答える。すると壁面いっぱいになるくらいの巨大なカモメがやってきて、ぼくらを覗き込む。美しい風景にぼくはシャッターを切る。するとカモメは美しい天女に変身する。

 振り返ると、欠席だったはずの最後の作品を提出した韓国の老詩人が朗読を終えたところで、ぼくと目が合う。西日が逆光になっていて、テキストが読みづらいが、目をすがめて作者名を読み取り、「〇〇さんでした」と皆に紹介する。

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4月5日の夢(しゃべるお面)

 自宅の二階へ上がる。仏壇のような場所に飾られている赤い風車のようにも見えるお面が突然ぶつぶつと喋り出す。以前何げなく拾ってきて置いておいたものだ。怪しいので引っ掴むと、階段を降りて外に走り出て、水溜まりの中に突っ込み、さらに上から靴で踏みつける。しばらく靴の下で抵抗していたが、間もなく水中にくったりと沈んだ。見回すと、あたりは戦後の頃のような舗装されていない地面で、向かい側の崖の上は鉄道の工事中だ。ヘルメットをかぶった工夫たちの姿が出たり入ったりしている。

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4月2日の夢(黒い兄さん)

 引っ越しした二階建ての家に義母と妻と三人で暮らしている。夕方なのか部屋の中は暗くてよく見えない。「兄さんが来てくれた」という声がする。よく見ると、黒い影のような男性が下着のまま畳の上に似ている。三人のうち誰の兄なのか分からない。とにかく暗いので電球を買ってくると言って、義母に「電気屋はどこですか」と尋ねる。「義母も引っ越して間もないのでわからない」と言うが、街に出ればわかるだろうと高を括る。

 しかし実際に出てみると、外は石材をばらまいたような、あるいは巨大な石段でできたような場所で、歩くことさえ難儀である。おまけに雨も降ってきた。

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4月1日の夢(窃盗犯になる)

★たまたまエイプリルフールに見た夢ですが、いつも通り全編夢見たままに記述しています。

 ふと気の向くままに、夜の街に散歩に出る。いつものバス停に来た。並木の美しい舗道に光り輝くバス停のサインポールが立っている。片側の青く輝く面はタッチパネルで、そこに書かれたいくつかの文字に指でタッチすると、自分の行く先などに自由に変換できるはずだが、今夜に限ってうまくいかない。戸惑っていると、背の高い別の男性がやってきて、「ねえ、おかしいですよね」と声をかけてくる。

 バスに乗って、郊外まで行き、また元のバス停に戻ろうとする。だが、バスに乗って気づいた。まだ引っ越したばかりで、あのバス停はなんという名前だったろう? リアウィンドウごしに夜空にそびえる富士山が見える。富士のいただきから竜巻の形の雲が渦巻き出ていて、なにか不穏な様子だ。夜空は白い巻雲で泡立つようで、上空には小さな月が一面に出ている。その沢山の月が風にあおられてくるくると群舞しており、なかなかに美しい情景だ。

 はっと気づくと、ぼくは座席で猫のように丸まって眠りこけていた。一つの座席にぼくを含めて三人の乗客が座っている。よくそんな眠り方ができたものだ。「次は九段下」というアナウンスが流れる。そうだ。ぼくの降りるのはここだった、と思う。急いで前部の運転席に行くが、そこには計器が並んでいるだけで、運転手がいない。慌てて後部へ行くと、そこにはスキャナーを設置して警官が待機している。交通系ICカードをスキャナーにかけると「こぶくろのK」という持ち主の名前が画面に浮かび上がる。しまった。これは昔、公園に落ちていたのを拾ったものだった。眼鏡をかけた若い警官が「あなたはこの人じゃないですよね」と勝ち誇った笑みで言う。「こんな軽微な罪でなく、巨悪を摘発するのが警察の役目でしょう」と言ってみるが、警官はせせら笑うだけだ。家で待つ妻にせめて携帯で連絡しようとするが、電話もかけられないよう圏外表示になってしまった。

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3月30日の夢(木の床の広場)

 会社の周りは木製の床材が敷き詰められた広場である。箒を持ち、広場を一周してみようとするが、奥の壁際に髭面の若いアメリカ人男性の姿が見えるので、途中で戻ることにする。

 会社の入り口で若い女性社員に呼び止められる。「先日、打ち合わせしてもらった仕事の件ですが、やはり分からないところがあるんです」と言う。ぼくは広場の方を指差し、「じゃあ、あちらの広場のテーブルでこれから打ち合わせしましょう」と答える。「そうしてもらえると助かります」という彼女と共に広場へ向かうが……

 そこには木製のカウンターがあり、彼女は若い男性の上司とともに向こう側、こちらの椅子にはぼくと妻とが座る。二人が課題として示すコピーに、ぼくは自分なりの解釈を与えていく。彼女はそれでOKのようだったが、上司は「そんなのではダメだ」とヒステリックに否定するので、ぼくらは改めて出直すしかないと思う。

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3月25日の夢(ステーション・ホテル)

 戦後の名古屋駅コンコースの雑踏の中を歩いている。左の壁のくぼんだ場所に小さなカウンターがあって、そこがステーション・ホテルのフロントだ。チェックインしようとすると、カウンターの前にいくつか並べられた椅子の一つにSが座っている。Sはぼくの後輩だが、いったんは社長にまで昇りつめたものの人望を欠き、最後は会社から追放されて、癌を患い、故郷に帰ったと思っていた。生きていたのか。よく見ると、顔色が蒼白である。ぼくはとりあえず「元気だったか?」と声をかける。彼は曖昧に頷き、「勤めていた大学が……」と言う。「へえ、大学の教員になったんだ」と話を合わせるうち、彼はいつのまにか大学時代の友人のKに変わっている。名刺を渡そうかと思うが、そういえばちょうど名刺を切らしていたところだった。名刺がわりに最近解説を書いたTの全詩集を渡そうか。いやいや、それはあまりに高額過ぎる。そんなことを考えているが、それにしてもルーム・キイをなかなか渡してもらえない。そのかわりに何かよく分からないものが、カウンターに投げるようにして置かれた。ふと見ると、かたわらの床に一目で田舎から出てきたおばあさんとわかる二人の女性が疲れたように座り込んでいる。やはり鍵をもらえないらしい。

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3月23日の夢(ベランダの老人)

 妻と二人、タクシーでホールに乗り付ける。運転手はぼくの顔を覚えていて、「ちょっとの間に随分やせましたね」(もしかしたら「随分太りましたね」だったかもしれない)と声をかけてくる。

 ホールの階段を昇り、三階あたりのドアを開けると、空中庭園のようなベランダに出る。椅子が並べられた一角に一台のベッドが置かれていて、少しぼけているらしい白髪の老人が寝ている。しばらく観察したが、ぼくらに危害を加えそうな様子はないので、ぼくらは椅子に座り、お弁当を食べることにする。

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3月20日の夢(黒い扉)

 植込みの緑が豊かな公園の一番奥に、古い公民館のような建物がある。妻と二人、そこに入ろうとするが黒い鉄の両開きの扉が閉ざされている。引き開けるとロビーの左手に掲示板があり、来週開催されるらしい短歌か何かの研究会の手書きポスターが貼られているのが見える。だが扉から手を離すと、それは自動的に閉まってガチャーンと大きな音を立てる。何度か扉を開けたり閉めたりしていると、公園の方から近づいてきた女性が「来週ですよ」と声をかけてくる。ぼくたちは建物に入ろうとしただけで、研究会に関心はなかったが、女性はそれに参加したいのだとぼくらを見なした様子だ。「でもその会で合評しようとした作品の作者が、自分だけでなくグループ全員を合評してくれと聞かないんです」と女性が妻に説明している間に、別の男がぼくに近寄ってきて、手に持ったゴムひものようなものでネズミの形を作ってみせる。ぼくは驚いて「うわあ、お上手ですね。まるで〇〇みたいだ」と言おうとするが、〇〇に当たる比喩を思いつけず、迷っているうちに目が覚めた。

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