出張から会社に戻ろうとする途中、同僚二人とばったり会い、彼らについて行く。そこは誰でも使える貸事務所のような場所で、広い室内に楕円形のテーブルがいくつも置かれており、ごったがえしている。テーブルはパーテーションで仕切られ、仕切りごとに2~3脚の椅子が置いてある。同僚たちが座った仕切りには2脚しかなかったが、強引に近くの椅子を引き寄せ、三人で座った。
ここでぼくらの会社で制作している新しい巨大な世界地図の校正をするのだ。大陸の地形は昔通りだが、知っている国名はほとんどなく、全く見知らない世界に変貌している。日本列島に目を向けると、東京すら存在しない。とりあえず地名を素読みしていくが、それが正しい表記かどうかも分からない。
終わって引き上げようとして鏡を見ると、ぼくの額に赤紫の大きな痣ができている。旧ソ連のゴルバチョフ大統領の痣にそっくりだ。皮膚科の医者に行こうと、JRの駅に行く。そこはまるで戦後の駅のようで、電車はすし詰め状態。ドアが閉まりかかるのをなんとか突破して乗り込む。降車して駅のガードをくぐるが人けのないトンネルを抜けた先に皮膚科の医院はない。