3月30日の夢(木の床の広場)

 会社の周りは木製の床材が敷き詰められた広場である。箒を持ち、広場を一周してみようとするが、奥の壁際に髭面の若いアメリカ人男性の姿が見えるので、途中で戻ることにする。

 会社の入り口で若い女性社員に呼び止められる。「先日、打ち合わせしてもらった仕事の件ですが、やはり分からないところがあるんです」と言う。ぼくは広場の方を指差し、「じゃあ、あちらの広場のテーブルでこれから打ち合わせしましょう」と答える。「そうしてもらえると助かります」という彼女と共に広場へ向かうが……

 そこには木製のカウンターがあり、彼女は若い男性の上司とともに向こう側、こちらの椅子にはぼくと妻とが座る。二人が課題として示すコピーに、ぼくは自分なりの解釈を与えていく。彼女はそれでOKのようだったが、上司は「そんなのではダメだ」とヒステリックに否定するので、ぼくらは改めて出直すしかないと思う。

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3月25日の夢(ステーション・ホテル)

 戦後の名古屋駅コンコースの雑踏の中を歩いている。左の壁のくぼんだ場所に小さなカウンターがあって、そこがステーション・ホテルのフロントだ。チェックインしようとすると、カウンターの前にいくつか並べられた椅子の一つにSが座っている。Sはぼくの後輩だが、いったんは社長にまで昇りつめたものの人望を欠き、最後は会社から追放されて、癌を患い、故郷に帰ったと思っていた。生きていたのか。よく見ると、顔色が蒼白である。ぼくはとりあえず「元気だったか?」と声をかける。彼は曖昧に頷き、「勤めていた大学が……」と言う。「へえ、大学の教員になったんだ」と話を合わせるうち、彼はいつのまにか大学時代の友人のKに変わっている。名刺を渡そうかと思うが、そういえばちょうど名刺を切らしていたところだった。名刺がわりに最近解説を書いたTの全詩集を渡そうか。いやいや、それはあまりに高額過ぎる。そんなことを考えているが、それにしてもルーム・キイをなかなか渡してもらえない。そのかわりに何かよく分からないものが、カウンターに投げるようにして置かれた。ふと見ると、かたわらの床に一目で田舎から出てきたおばあさんとわかる二人の女性が疲れたように座り込んでいる。やはり鍵をもらえないらしい。

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3月23日の夢(ベランダの老人)

 妻と二人、タクシーでホールに乗り付ける。運転手はぼくの顔を覚えていて、「ちょっとの間に随分やせましたね」(もしかしたら「随分太りましたね」だったかもしれない)と声をかけてくる。

 ホールの階段を昇り、三階あたりのドアを開けると、空中庭園のようなベランダに出る。椅子が並べられた一角に一台のベッドが置かれていて、少しぼけているらしい白髪の老人が寝ている。しばらく観察したが、ぼくらに危害を加えそうな様子はないので、ぼくらは椅子に座り、お弁当を食べることにする。

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3月20日の夢(黒い扉)

 植込みの緑が豊かな公園の一番奥に、古い公民館のような建物がある。妻と二人、そこに入ろうとするが黒い鉄の両開きの扉が閉ざされている。引き開けるとロビーの左手に掲示板があり、来週開催されるらしい短歌か何かの研究会の手書きポスターが貼られているのが見える。だが扉から手を離すと、それは自動的に閉まってガチャーンと大きな音を立てる。何度か扉を開けたり閉めたりしていると、公園の方から近づいてきた女性が「来週ですよ」と声をかけてくる。ぼくたちは建物に入ろうとしただけで、研究会に関心はなかったが、女性はそれに参加したいのだとぼくらを見なした様子だ。「でもその会で合評しようとした作品の作者が、自分だけでなくグループ全員を合評してくれと聞かないんです」と女性が妻に説明している間に、別の男がぼくに近寄ってきて、手に持ったゴムひものようなものでネズミの形を作ってみせる。ぼくは驚いて「うわあ、お上手ですね。まるで〇〇みたいだ」と言おうとするが、〇〇に当たる比喩を思いつけず、迷っているうちに目が覚めた。

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2月9日の夢(東京のない世界地図)

 出張から会社に戻ろうとする途中、同僚二人とばったり会い、彼らについて行く。そこは誰でも使える貸事務所のような場所で、広い室内に楕円形のテーブルがいくつも置かれており、ごったがえしている。テーブルはパーテーションで仕切られ、仕切りごとに2~3脚の椅子が置いてある。同僚たちが座った仕切りには2脚しかなかったが、強引に近くの椅子を引き寄せ、三人で座った。

 ここでぼくらの会社で制作している新しい巨大な世界地図の校正をするのだ。大陸の地形は昔通りだが、知っている国名はほとんどなく、全く見知らない世界に変貌している。日本列島に目を向けると、東京すら存在しない。とりあえず地名を素読みしていくが、それが正しい表記かどうかも分からない。

 終わって引き上げようとして鏡を見ると、ぼくの額に赤紫の大きな痣ができている。旧ソ連のゴルバチョフ大統領の痣にそっくりだ。皮膚科の医者に行こうと、JRの駅に行く。そこはまるで戦後の駅のようで、電車はすし詰め状態。ドアが閉まりかかるのをなんとか突破して乗り込む。降車して駅のガードをくぐるが人けのないトンネルを抜けた先に皮膚科の医院はない。

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1月26日の夢(会議室)

 会社で自分のパソコンが不調なので、欠勤中の女性社員のパソコンを借りて仕事していると、「早く並んでください」という声がする。

 某大企業のクライアントたちが何人も会議室に来ていて、大きな仕事を任せるにあたって、ぼくの会社の全社員面談を行うという。入り口で順番を待っていると「二階へあがれ」と声がした。また階段を昇り、別の会議室に移動する。

 順番を待つ行列の一番目はKくんで、ぼくは二番目だ。二人は会議室の中を覗き込むようにして、中の様子に聞き耳を立てる。ちょうど一人の面談が終わった。クライアントたちはしばらく協議に移る。彼らの会話が漏れ聞こえてくる。「今度の仕事は詩人の黒田三郎に関するものなんですよね」「まだここに来ていないけど、一色さんという方がよく知っていると思います」「でも現場が遠隔地だから、無理かもしれないですね」…… ぼくのような高齢社員にはもう仕事は入らないだろうと思っていたので、ぼくは彼らの話に心底驚いてしまう。なんだか左足が半分麻痺しているようにも感じる。そこではっと気づいて後ろを振り返る。会議室の内部を立って聞き耳を立てているのは、ぼくとKくんの二人だけで、あとの同僚たちは廊下のベンチに皆、おとなしく一列に座っているのだった。

 協議を終えたクライアントたちは鞄を手に、各自さっさと引き上げていく。どうやら昼食休憩になったらしい。ぼくも自席に帰ろうとするが、階段の途中に誰かが注文したらしい出前のうどんが置かれている。じゃまなので動かそうとすると、ぐらぐらして危なっかしい。器の下に小さな皿が置かれているので、かえって不安定なのだ。出前の盆は持ちやすいよう、下に皿が置かれているが、床に置くとかえって不安定になるのだなと思う。

 オフィスに戻る。三列にデスクが並んでいる。二列目の真ん中が社長のU氏のデスクだ。ほかの社員のそれと全く見分けがつかない。「社長なんだから、もっとちゃんとしたところに大きなデスクを構えればいいのにね」と同僚に話す。

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1月25日の夢(欠落した階段)

 駅のホームから階段を昇って会社に戻ろうとすると、途中で三段の欠落があって、それ以上昇れない。工事の人に尋ねると、「上へ行く階段は今すべてこうなっています。でも使っていただいても構いませんよ」という。もう一度昇ろうとするが、やはり欠落した三段の幅は足が届かないから、無理である。「これじゃ昇れないです。それに階段の上の事務所で働いている同僚たちは皆これを知りません。昇るも降るもできないじゃないですか。一体工事はいつまでかかるんですか」と抗議すると、「6日から2週間ぐらいかな」と答える。「えーっ、その間、上に閉じ込められた人たちはどうするんだ?」とびっくりする。

 クライアントの男性と地方に出張することになる。工事の影響でお弁当が用意できない。途中の駅のホームは無人だが、先端にある石のベンチにお弁当がわりのプラスティックトレイが二つ並んでいる。トレイの中身はナポリタンだが、パスタが縦に一本ずつきちんと並べられている。ぼくとクライアントはそれを一本ずつお箸でつまんではベンチに並べる。これはクライアントが用意してくれたんだろうか。それともぼくが自分で用意したものだったか。

 夜の闇に沈んだ川面に機械のようなものが見える。それを見てクライアントは「ああ、あれがそうですね」と言う。ぼくは「違いますよ」と否定する。「昔、オイルショックのあと、物が皆なくなって、コーヒーとかもすごくまずくなったことがあったでしょう?」 すると「ああ、そんなことがあった、あった」と彼は言う。「ええっ? この人、そんな頃にもう生まれていたんだっけ」と、若いはずのクライアントの顔を改めてしげしげ眺める。

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1月16日の夢(宇宙旅行を申し込む)

 Sくんから「宇宙飛行に応募しよう」という電話が入ったので、承諾する。いや、それなら妻も誘った方がいいだろう。でも抽選だから、三人でまとめて選ばれるものだろうか、と思う。

 Sくんと電話に乗る。席がなく座れない。と、Sくんが何もないところからシートを引っ張り出した。二人で座れる席ができた。

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1月15日の日記(脱線電車で行こう)

 出勤のため電車に乗った。一番前の席に座る。見ると運転手はぼくの勤める会社の社長ではないか。

 その運転は危なっかしく、たちまち電車はレールを外れ、道なき道を走り出す。ちょっとハンドルを切るだけで、大きく蛇行運転するので、危ないことこの上ない。すぐにコンクリート道路の端から左側の崖を転落してしまいそうだ。ようやく停車場にたどりつこうとするところで、電車は大きく左に傾く。恐怖にかられたぼくは窓から脱出する。そこには有刺鉄線が張られていたが、痛みも気にせず、ぼくはそれを乗り越える。

 おかげで少し遅刻したが、「おはよう」と周囲に声をかけながら出社する。オフィスは畳敷きで、そこに座布団を敷いて座る。気がつくと、慌てて窓から飛び出したので、ズボンをはき忘れている。やばいとうろたえるが、派手なデザインなので、半ズボンに見えないこともない。そのままひざ掛けをしてごまかす。

 オフィスの縁側近くにいろいろな品物がたくさん並べられている。ぼくが置いたものらしい。庭に降りて土の上にスリッパで文字を書く。「ツツミ……」で始まり、最後は「ツ」で終わる。だが「ツ」という文字がなかなかうまく書けない。同僚が「これは何?」と尋ねてくる。「一応、占いとかしますんで、これは屋号なんですよ」とぼくは答える。

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12月29日の夢(引っ越し)

 妻と都電に乗り、晴海あたりで降りる。車内も街路も群衆でぎっしりと埋め尽くされている。そこはぼくらの引っ越し先で、部屋には段ボールが一つと梅干のような丸いものが一個置かれているはずだ。パソコンを詰めたバッグを抱えて降りようとした瞬間、豪雨が襲ってきた。「あそこまで走るんだ」と二人は声を掛け合う。

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