10月15日の夢(尋問)

 なぜだか分からないが、大富豪の屋敷に連れてこられ、そこで生活するようになった。ぼくの血縁がかすかにこの家の主人夫婦のどちらかにつながっているらしい。ぼくのほか、もう成人した男や、まだ幼児の二人の男の子もいて、彼らはこの家ではぼくの弟ということになるらしい。
 ぼくらはガラス張りの大広間で召使いたちにかしづかれて、食事をとろうとしている。だが、食事がまさに始まろうとした瞬間、一斉に刑事たちが踏み込んで、ぼくらのテーブルを囲んでしまう。白人も黒人もいればラテン系の男女もいて、国際色豊かな刑事たちだ。ぼくは弟たちに「どうやら早く食事をすませた方がいいみたいだよ」と言うが、どうやらその暇もないらしい。近くにいた黒人の若い女性刑事がぼくを制して、尋問が始まることを告げる。真っ先に尋問を受けるのはぼくだ。中年の男の刑事がぼくのかたわらに腰を下ろす。ぼくはせめて何か飲み物をとりたいと思い、窓際のテーブルまで探しに行くが、手頃なものが見あたらない。
 ところがそのとき、12時のチャイムが鳴った。なぜか刑事たちは尋問を中断し、包囲を解いて食事に行ってしまった。ぼくはそのすきにトイレに立つ。ところが食堂の両側にあるトイレはどちらも行列ができていて、とても入れそうにない。しかし、刑事たちはぼくが逃亡するとか、トイレに入ったすきに自殺してしまうとか考えてもいないのだろうか。いずれにしても、過去の記憶も何もかも捨てて、この家に来てしまったぼくには今さら自殺する動機も何もないのだが。
 食堂に戻る通路には、すきまなく男や女が寝ている。なぜかみんな白人たちだ。中には二重に積み重なって寝ているところもあり、慎重に歩いていってもどうしても彼らを踏みつけてしまう。しかも、後ろからついてきた小さな男の子がぼくを手で押すので、ぼくはよろけてますますみんなを踏みつけてしまう。男の子が言う。「通路でなく、席の方を歩いた方がいいんじゃないの?」 見回すと確かにその通りだ。通路には人が寝ているが、椅子のいっぱい置いてあるところには誰もいない。

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