10月17日の夢(カビだ!)

 劇場で誰かの追悼のための公演の準備をしている。客席にいたぼくは前の公演が終わったのを見届け楽屋にいるみんなに「本番が始まるぞ!」と告げに走る。だが、みんなが統一して着ることになっている白い衣裳は、楽屋と舞台との間のちょっと離れた場所にまとめて置いてある。ぼくはみんなにその位置を指さし、みんなは一斉に楽屋から「わーっ」と走り出す。ところが、ぼく自身が目測を誤って、その衣裳置き場から一段低いところへ来てしまった。でも、そこから衣裳置き場とはちょっと高低差があるだけなので、なんとか乗り移れそうだ。一生懸命身を乗り出して飛び移ろうとするぼくを、そのフロアにいる小学生くらいの女の子が「頑張れ頑張れ」というように応援してくれる。
 いつのまにかぼくはどこかの博物館にいる。石組みのあるモダンな中庭を、豊かな水が流れ落ちている。その流れを渡った足で、書道の展示室の中に入る。誰かがぼくを指さして「カビだ!」と言う。言われて、足元に目を落とすと、ぼくの靴痕が床に真っ黒に記されている。確かにこれは黒カビだ。慌てて拭き取ろうとするが、なかなかきれいにはならない。慌てて逃げるように、そこを立ち去る。

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