11月25日の夢(パンツの中の詩集)

 家の近くの野川大橋の交差点の向こうの道路に長い行列ができている。大詩人の飯島耕一さんが来ているのだ。みんなの詩を見たり、サインをしてくれるというので、大変な人気だ。ぼくも少年たちにまじって列に並び、自分のパンツを差し出す。というのは、今回のぼくの詩集はパンツの中に入っている奇抜な装丁になっているからだ。飯島さんはぼくの名前を見て、「ああ、きみか!」と思い出してくれるだろうか? どきどきする。しかし、彼はぼくのパンツの中の詩の作者名を見ても、何も言わずに、ただ詩を読んで、サインをして返してくれただけだ。ちょっとがっかりだが、それでもサインを貰えただけで嬉しい。我慢できずに、家に向かって歩きながら、開けてみる。飯島さんがくれた包みには江戸前のにぎり寿司が入っていて、その中に何枚か手書きのカードがはさまれている。このカードを飯島さんが書いてくれたものらしいが、あまり面白いものではなかった。野川大橋を渡りながら、ふと川面を見る。水面に点々と白い波が立つ。あれは石か何かが投げ込まれているのか、それとも魚が跳ねているのか、どうしたんだろうと不審に思う。

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