ぼくはコンサートに出演することになっていて、その出番の時間が迫っている。慌てて指定された会場へ駆けつけると、楽屋のホールはがらんとしていて、ただ一人片岡鶴太郎が立っていて、ぼくに生意気な口調で何か言う(何を言われたかは忘れた)。ともかく、ぼくはステージに通じるはずのドアを開ける。と、そこには懐かしい昭和30年頃の住宅街の手狭な裏庭が広がっている。青空には点々と雲が浮かび、周囲には日本家屋の家並みがしんと静まっている。これはいくら何でもぼくの出るステージではなさそうだ。もう一度楽屋ホールに戻って、もう一つのドアを開ける。そこはもう少し時代が新しくなった住宅街の裏庭で、さっきより少し面積が広い。気がつくと、そこには男が一人立っていて、裏庭を区切る家屋の一つの向こう側を指さす。すると、そちらから女の子たちの嬌声が聞こえてくる。この家並みの向こう側でコンサートが始まっているのだ。見ると、裏庭には二匹の大型犬がいる。一匹は普通に歩いているが、一匹は立ち上がって、ぼくにチンチンをして見せる。
会社(とは全く違う空間だが)にいて、まだ就業時間中なのに社長が「これから飲み会をする」と言う。社長がぼくに「いいか?」と尋ねるので、「もちろん」と返事はしたものの、仕事をすぐに放り出せるわけではない。後かたづけをしているうちに、社長は詩人の野村喜和夫氏といっしょに飲み会に行ってしまった。飲み会の場所を聞いていないので、あわてて二人の後を追う。隣の部屋との仕切の襖を開けると、知らない男が電話をしている声がする。慌てて閉めて、別のドアから出る。出たところに、別の知らない男がいる。慌てていたので、スリッパの片方が脱げてしまう。そのまま玄関に行くと、自分の靴が見あたらない。慌てて、片足スリッパ、片足はだしのまま外へ出ようとする。玄関は段差になっている。高さ2メートルくらいだ。こんなの降りられないと一瞬ひるむが、周囲で老人たちが平気でそこを降りていくのを見て、ぼくも勇気を出して降りる。左手に長いタクシー待ちの行列がある。しかし、いくら探しても、社長たちの姿はない。
ぼくのすぐ前に、巨大な木の幹がある。灰色に変色していて、うっかり触るただけで、その木肌に傷がついてしまう。樹木に傷をつけてはいけないと思うが、なんとなく面白くて、今度は意図的に触って傷をつける。そこは洞窟の中で、周囲の壁は木肌とそっくりの灰色の岩でできている。突然、ざざっと音がして、壁の一部が崩れ始める。ぼくが木肌に付けた傷が、洞窟全体に波及したらしい。今度は天井が崩れだした。大慌てで洞窟の外へ脱出する。すると、外には青空が広がっていて、のんびりとした山間の観光地の風景があるだけだ。人々も何事もなかったように、普段通りの生活をしている。これは一体どうしたわけだろう? ぼくは慌てた自分を恥じて、もう一度、洞窟の中に引き返す。
-
最近の投稿
カテゴリー
最近のコメント
- 4月1日の夢(男子校の教師) に ぼく より
- 1月3日の夢(富士山) に 網野杏子 より
- 3月24日の夢(電車事故) に 夢前孝行 より
- 3月24日の夢(電車事故) に 夢前孝行 より
- 9月24日の夢(天皇に刺さる棘) に 一色真理 より
カウンター
376,546アーカイブ
- 2024年11月 (7)
- 2024年9月 (3)
- 2024年8月 (12)
- 2024年7月 (5)
- 2024年6月 (3)
- 2024年5月 (10)
- 2024年4月 (5)
- 2024年3月 (7)
- 2024年2月 (8)
- 2024年1月 (6)
- 2023年12月 (8)
- 2023年11月 (7)
- 2023年10月 (6)
- 2023年9月 (2)
- 2023年8月 (8)
- 2023年7月 (7)
- 2023年6月 (6)
- 2023年5月 (12)
- 2023年4月 (4)
- 2023年3月 (6)
- 2023年2月 (6)
- 2023年1月 (13)
- 2022年12月 (8)
- 2022年11月 (4)
- 2022年10月 (9)
- 2022年9月 (11)
- 2022年8月 (13)
- 2022年7月 (9)
- 2022年6月 (12)
- 2022年5月 (9)
- 2022年4月 (5)
- 2022年3月 (13)
- 2022年2月 (9)
- 2022年1月 (11)
- 2021年12月 (7)
- 2021年11月 (4)
- 2021年10月 (8)
- 2021年9月 (9)
- 2021年8月 (8)
- 2021年7月 (6)
- 2021年6月 (8)
- 2021年5月 (12)
- 2021年4月 (7)
- 2021年3月 (6)
- 2021年2月 (9)
- 2021年1月 (13)
- 2020年12月 (9)
- 2020年11月 (6)
- 2020年10月 (6)
- 2020年9月 (5)
- 2020年8月 (4)
- 2020年7月 (5)
- 2020年6月 (6)
- 2020年5月 (5)
- 2020年4月 (6)
- 2020年3月 (2)
- 2020年2月 (8)
- 2020年1月 (7)
- 2019年12月 (7)
- 2019年11月 (5)
- 2019年10月 (10)
- 2019年9月 (3)
- 2019年8月 (9)
- 2019年7月 (9)
- 2019年6月 (7)
- 2019年5月 (8)
- 2019年4月 (11)
- 2019年3月 (10)
- 2019年2月 (8)
- 2019年1月 (7)
- 2018年12月 (11)
- 2018年11月 (8)
- 2018年10月 (14)
- 2018年9月 (6)
- 2018年8月 (8)
- 2018年7月 (9)
- 2018年6月 (12)
- 2018年5月 (14)
- 2018年4月 (16)
- 2018年3月 (11)
- 2018年2月 (5)
- 2018年1月 (9)
- 2017年12月 (11)
- 2017年11月 (12)
- 2017年10月 (8)
- 2017年9月 (14)
- 2017年8月 (14)
- 2017年7月 (3)
- 2017年6月 (7)
- 2017年5月 (7)
- 2017年4月 (12)
- 2017年3月 (13)
- 2017年2月 (8)
- 2017年1月 (14)
- 2016年12月 (14)
- 2016年11月 (9)
- 2016年10月 (14)
- 2016年9月 (14)
- 2016年8月 (12)
- 2016年7月 (8)
- 2016年6月 (8)
- 2016年5月 (9)
- 2016年4月 (16)
- 2016年3月 (13)
- 2016年2月 (12)
- 2016年1月 (7)
- 2015年12月 (10)
- 2015年11月 (14)
- 2015年10月 (16)
- 2015年9月 (9)
- 2015年8月 (12)
- 2015年7月 (11)
- 2015年6月 (13)
- 2015年5月 (10)
- 2015年4月 (8)
- 2015年3月 (17)
- 2015年2月 (7)
- 2015年1月 (12)
- 2014年12月 (8)
- 2014年11月 (11)
- 2014年10月 (11)
- 2014年9月 (7)
- 2014年8月 (8)
- 2014年7月 (9)
- 2014年6月 (12)
- 2014年5月 (17)
- 2014年4月 (14)
- 2014年3月 (17)
- 2014年2月 (13)
- 2014年1月 (19)
- 2013年12月 (15)
- 2013年11月 (17)
- 2013年10月 (22)
- 2013年9月 (7)
- 2013年8月 (9)
- 2013年7月 (17)
- 2013年6月 (12)
- 2013年5月 (14)
- 2013年4月 (15)
- 2013年3月 (8)
- 2013年2月 (7)
- 2013年1月 (10)
- 2012年12月 (11)
- 2012年11月 (10)
- 2012年10月 (8)
- 2012年9月 (9)
- 2012年8月 (13)
- 2012年7月 (12)
- 2012年6月 (13)
- 2012年5月 (14)
- 2012年4月 (19)
- 2012年3月 (12)
- 2012年2月 (13)
- 2012年1月 (11)
- 2011年12月 (16)
- 2011年11月 (17)
- 2011年10月 (16)
- 2011年9月 (15)
- 2011年8月 (17)
- 2011年7月 (12)
- 2011年6月 (13)
- 2011年5月 (18)
- 2011年4月 (19)
- 2011年3月 (18)
- 2011年2月 (9)
- 2011年1月 (9)
- 2010年12月 (13)
- 2010年11月 (8)
- 2010年10月 (8)
- 2010年9月 (18)
- 2010年8月 (8)
- 2010年7月 (9)
- 2010年6月 (7)
- 2010年5月 (14)
- 2010年4月 (14)
- 2010年3月 (13)
- 2010年2月 (9)
- 2010年1月 (9)
- 2009年12月 (12)
- 2009年11月 (12)
- 2009年10月 (13)
- 2009年9月 (10)
- 2009年8月 (10)
- 2009年7月 (11)
- 2009年6月 (13)
- 2009年5月 (15)
- 2009年4月 (13)
- 2009年3月 (13)
- 2009年2月 (8)
- 2009年1月 (15)
- 2008年12月 (14)
- 2008年11月 (11)
- 2008年10月 (22)
- 2008年9月 (16)
- 2008年8月 (15)
- 2008年7月 (14)
- 2008年6月 (14)
- 2008年5月 (18)
- 2008年4月 (13)
- 2008年3月 (17)
- 2008年2月 (14)
- 2008年1月 (12)
- 2007年12月 (18)
- 2007年11月 (14)
- 2007年10月 (18)
- 2007年9月 (18)
- 2007年8月 (20)
- 2007年7月 (15)
- 2007年6月 (18)
- 2007年5月 (21)
- 2007年4月 (20)
- 2007年3月 (18)
- 2007年2月 (17)
- 2007年1月 (20)
- 2006年12月 (16)
- 2006年11月 (17)
- 2006年10月 (16)
- 2006年9月 (13)
- 2006年8月 (15)
- 2006年7月 (16)
- 2006年6月 (14)
- 2006年5月 (14)
- 2006年4月 (13)
- 2006年3月 (15)
- 2006年2月 (16)
- 2006年1月 (18)
- 2005年12月 (18)
- 2005年11月 (17)
- 2005年10月 (22)
- 2005年9月 (17)
- 2005年8月 (15)
- 2005年7月 (23)
- 2005年6月 (21)
- 2005年5月 (12)
- 2005年4月 (4)
- 2005年2月 (1)