6月11日の夢(雨漏りとサウナ)

 新しいマンションに引っ越したらしい。ぼくの部屋は四方の壁が立派な書棚で、柱は黒い漆塗りという豪勢な六畳間だ。ところが、一番奥の書棚の真ん中の部分に少し雨漏りしている気配がある。近づくと、黒い漆塗りの木の肌が確かに濡れている。それを知らせに妻を呼ぶ。そこへ妻を連れて行く間にも、何カ所か天井に雨の染みが広がり、床も濡れているところを発見。さらに天井や壁のあらゆるところに、染みが広がりだして、まるでホラー映画のようになる。ドサッと音がした。振り返ると、入り口の左側にカーテンで隠した狭いスペースがあって、そこにぼくの服や小物が積み上げてあったのだが、それがどさどさと崩れ落ちてしまったのだった。
 会社の営業部長に頼まれて、A社のぼくは直接かかわっていない仕事のアフターサービスで、彼の顧客のところに立ち寄ることにする。予め電話をして、「何時がよいですか」と尋ねると、逆に「そちらは何時がよいのか」と言うので、早めの時間帯でアポをとる。
 少し早めに約束の場所へ着いた。それはサウナの休憩室のようなところで、ぼくは和室のちゃぶ台に向かい、なぜかパンツ一枚の半裸で座っている。しかし、これで顧客に会うのはあんまりだと思い、慌ててTシャツとズボンをはくが、ズボンのボタンを留めるいとまもなく、チャックをずりあげたところへ顧客が来てしまう。
 若いチームリーダーと部下たちからなるA社の顧客たちは、ぼくが新しい提案を持ってやってきたと思い込んでいた。しかし、ぼくは何の商品知識もなく、もちろん提案も持っておらず、単なる挨拶訪問のつもりだったので、彼らは怒り出す。彼らの部署はここからいくつもの駅を電車で行った、遠い場所にあり、そこからわざわざ早い時間に間に合うよう、駆けつけてくれたのだった。ぼくは平謝りし、彼らといっしょに電車に乗る。途中、カモの集まっている公園のある駅がある。
 最後はなぜかまたサウナの内部になる。そこでY社の顧客は下半身にバスタオルをまいただけの、半裸のままでぼくと別れ、ドアを開けて出ていく。すると、それを待っていたかのように、フルチンの男たちが「すみません」「失礼」といいながら、ぼくのかたわらをすり抜けて出口から出ていく。

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