初夢

 年末は奄美諸島を巡って過ごし、元日の夜に帰還しました。でも、向こうで不整脈が出ちゃって、ちょっと体調が万全ではありません。
(夢ここから)
 今日は全国的にケーキを食べる日だ。だが、つましく暮らしている我が家ではちゃんとしたケーキを食べるなんて、とても無理だ。ケーキをあきらめている顔の妻に、ぼくは「ケーキはあるよ」と伝える。妻は驚いて、顔を輝かせる。もっとも、そのケーキはまだデパートの売り場にあって、まだ買っていない。それに、ケーキといってもただのスポンジケーキに過ぎないのだ。
 ぼくはデパートのある売り場に一種類だけ売っているケーキか、その一階下のフロアに何種類か売っているケーキのどちらかを買うつもりで、妻に「どちらがいい?」と尋ねる。妻は早速見に行くが、戻ってきて、「ねえ。どうしてもどれを買えばいいのか決められないの」と言う。
 どうも話の具合から、彼女は別のものと勘違いしている様子なので、改めて売り場に行ってみる。すると、最初の売り場に一つだけあったケーキは既に売れてしまったのか、影も形もない。一階下の売り場に行くと、楠田枝里子さんが店員をしていて、3種類くらいのスポンジケーキがあった。そのうち、ケーキの上に赤いジャムの帯が載ったものを指して、妻は「これだといいな」と言う。それはまさに、ぼくの買うつもりのものだった。
 久しぶりに詩のジャーナリストとしての仕事をすることになり、明日から始まるある展覧会の会場に取材に行く、同業の郷原さんと会場でいっしょになる。二人が取材に来るのを全く予想していなかった主催者たちは大喜びだ。小柳さんが郷原さんと挨拶している間に、ぼくは大西さんに「ごぶさたしています」と挨拶するが、なんとなく彼はぎこちない様子をする。とりあえずみんなに並んでもらい、写真を撮影する。
 会社で何かの仕事をするために、二つの別々の場所にあるデスクを与えられるが、それらは本来は別の人のデスクをぼくがその仕事をするために借りる形になった。そのうち、一つのデスクの左隣は《ぬえ》さんのデスクだ。ぼくは3本の蛇柄のマフラーを持っていて、それを彼がいない間に左のデスクの上に置く。それはまるで本物の蛇のように不気味だ。やがて《ぬえ》さんが戻ってきて、じろりとぼくを一瞥し、無言のままそれを退かした。ぼくは「これを片づけなきゃいけないと思っていたんだ」と言い訳をして、それを自分の机の上に戻すが、《ぬえ》さんは無言のままだ。

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