7月11日の夢(ミイラ覚醒)

 何か天才的な才能を持つ少年の自宅へライターと共に取材に行った。どういう才能なのかは定かではないが、彼の兄弟の中にはこのジャンルでプロになっている者もいて、その子はインタビューにもきちんと受け答えができる。だが、その少年はアマチュアなので、答え方も訥々としている。しかも、家の中が満員になるほど、マスコミの記者が詰めかけているため、ちっとも取材が進まない。しかたなく、泊まり込むことにする。
 いつのまにか朝になった。時計を見ると、2時だ。もう午後2時になったのかと、窓の外を見ると、石畳に月光が銀色に反射している。まだ真夜中だったのだ。
 やっと原稿が出来た。明日も会社に出るのはいやだから、今日中に上司に原稿を読んでもらおうと思う。そこは列車の中で、上司というのは軍隊の将校だ。ライターとそう相談していると、社長が出てきて、反対して、明日にしろと言う。
 警察署に駆け込む。警官とぼくとは顔なじみのはずだが、なぜか警官はぼくのことを忘れている。ぼくは手に三つの断片を持っている。それはぼくがずうっと選挙に立候補して、保全を主張しているある建物の鍵や錠前の破壊された断片である。こんなふうに壊されてしまったのは、ずうっと落選しながら立候補を続けているぼくへの、何者かのいやがらせであるに違いない。
 朝、海辺へ男がぼくを連れて行く。コンクリートの溝の蓋を開けると、そこには棺桶があり、それを開けるとミイラのような白い布きれをつけた女性が寝ている。ぼくが彼女を起こすと、彼女は「まだ早いんじゃないの?」と抗議する。だが、「ぼくが来たのだから」と、ぼくは彼女を無理矢理目覚めさせる。女性もしぶしぶミイラの衣裳をはぎ取って、起きあがる。

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