家の前を流れる野川のような川に、大型船が入り込んでいて、ぼくはなぜかその船の甲板にいる。そこから岸辺を見ると、川の水面が壁のように垂直に立ち上がって見えるが、岸辺の家はふつうに見える。目の錯覚だろう。しばらく見ていると、その錯覚は消えて、水面もふつうに水平に見えるようになった。
船内を塗り替えることになったらしい。同僚が大きなパレットのようなもので、いろいろな色の絵の具を混ぜ合わせている。絵の具には粘りがあるため、大変な力仕事らしい。ぼくは急いでそばに行き、手を添えてパレットを支えてやる。ぼくの隣で若者が食い入るように彼の手元を見つめている。これから仕事を覚えるために、そうやって先輩の仕事ぶりを眺めているのだろう。ぼくはもう退職する身なので、今さら若者といっしょに彼の手元を眺めていてもしかたがないなと、気づく。
その場を離れ、船首に行く。船の前の河原に沢山の子どもたちがいて、船を見上げている。船首には象の鼻のような送風管があり、そこからぶわーっと風が出て、子どもたちを追い払う。かたわらにいた中高年のおじさんは船を警護するガードマンらしいが、突然子どもたちに向けてバンバンと銃を撃ち始める。威嚇射撃だろうか。子どもたちは蜘蛛の子を散らすように逃げていくが、何人かの子どもたちは河原に倒れてしまう。
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子どもに向かって威嚇射撃というのが、矛盾を含んだ現実というか。とても興味深く読ませていただきました。
いつもぼくの夢を深く読み込んでいただき、有り難うございます。夢の中のぼくは子どもたちが撃たれて死んでいくのを「現実」と信じようとせず、「威嚇射撃」だと信じようとしたのです。でも、子どもたちはやはり死んでいき、ぼくはそれに耐えきれず目が覚めてしまいました。