4月5日の夢(タルコフスキーの家)

 若い女性教師のところへ、出来の悪い女生徒が相談に行った。教師はマル秘であるはずの落第基準を生徒に教えてしまう。女生徒はその落第基準に自分が当てはまるので、「ああ、どうしよう?!」と教師に泣きつく。すると、教師は「ちょっと待っていて」と言って、奥の部屋に入ってしまった。その一部始終を見ていたぼくは、「この先生は駄目だな」と思う。かたわらから教師の母親が出てきて、「大丈夫よ、大丈夫よ」と言って、生徒を慰める。
 新しく大きな家に引っ越した。父と母とぼくの三人家族である。家には部屋がいっぱいあり、一室にはその半分を占める大きな浴槽がある。浴槽の縁は曲線を描き、面積こそやけに広いが、水深はとても浅い。浴槽が広すぎるので、有効利用しようとしてだろう。両親はその中に立派な書棚をいくつも置いている。樫か何かで作られた扉のあるデザイン家具調の書棚で、中の本は外からは見えない。
 その浴槽にお湯を張ると、当たり前だが書棚に水が入り、本が濡れてしまう。ぼくは慌てて寝室にいる両親を呼びに行くが、お湯は浴槽からあふれてすべての室内に侵入してくる。よく見ると、部屋の仕切部分には穴があけられていて、そこからお湯が次々と流れ込むようになっているのだ。あっという間に、家中に湯気の立つお湯があふれ、タルコフスキーの映画の一場面のようになってしまう。両親が寝ようとして、女性のお手伝いさんに蒲団を敷かせているが、その蒲団もお湯につかり、両親もお手伝いさんも困惑顔だ。ふと見ると、窓の外の屋上のようなところに一段高い部屋があり、そこにはお湯は侵入していない。しかも、三つのベッドが並んでいる。ベッドだから、ここなら濡れずに眠ることができる。ちょっと安心するものの、両親といっしょに寝るのではプライバシーがなくなるからいやだなあと思う。

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