4月20日の夢(天皇になる)

 ぼくは天皇だ。朝食を食べる。天皇なので、テーブルには毎朝、和食から洋食まであらゆるメニューが並び、よりどりみどりだ。いつもはパンを食べるのだが、今朝はいたずら心を出して、おかゆを食べることにする。若いシェフが「天皇はいつも何を食べるか分からない」とぶつぶつ言っているのが聞こえるが、無視する。そのまま和食を食べ続けようとするが、目の前にケーキの山があるのでつい一個食べる。おいしい。イチゴのショートケーキやチョコレートケーキなど、いろいろなケーキがあるのでついつい手を伸ばして食べてしまう。
 団体旅行のツアーに来て、旅館の部屋にいる。制服を着た女性の係員がやってきて、みんなに心理テストの紙を配る。大きな紙を八つ折りにしてあり、開いてみると、表側は「試験勉強は早めにやってしまう方ですか?」といった一般的な質問だが、どの質問もぼくの答はオール・ノーだ。裏面は女性向けの質問ばかりで、答えようがない。係員に「これは間違いじゃないか? 女性向けだよ」と言うが、少し離れたところから妻が「それしかないらしい」と代わりに答える。みんなおとなしくその心理テストをやっている。ぼくは一つも「イエス」と答える問いがない。「イエスが一つもない人」と言われて、真っ先にぼくが手を上げたらみんなびっくりするだろうなと思う。しかし、こんな心理テストに興味はないので、畳の上に放りだして庭を見ていると、係員が近づいてきて、「あなたは神経質そうなのに、プライバシーを放りだしておいてよいの?」と言う。ぼくは「一つも答えないからいいよ」と答える。
 部屋に戻ると、誰もぼくには集合の声をかけなかったのに、みんな整列して出発を待っている。ぼくが現れると、添乗員がちょうど人数を数え終わり、みんなに「一列20人でデモの隊形を作りなさい」と言う。観光の一環としてデモに参加するらしい。しかし、全員スクラムを組んで、ぼくは一人だけ取り残されてしまった。ぼくは無理矢理左端の男の手の下に自分の手を滑り込ませ、スクラムに加わる。「久しぶりだなあ」と、デモへの期待に胸がうずく。
 いつのまにか部屋の浴室に戻っている。古い金ダライの中に、古いオキシフルの溶液が満たされている。そこに別の薬品をぼくが加えると、もくもくとガスが発生した。しまった。これは硫化水素ではないか。ぼくは慌ててドアを開け、息を詰めて通路に逃げるが、まるで迷路のようだ。

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