5月30日の夢(歌うことが闘いだ)

 外では闘いが起こっている。外から帰ってきた中年の男が「外は人が多すぎる。40人ほどもいる。こんなにいなくてもいいのに」と言う。外でこの建物を守っているぼくらの守備隊の人数の話だ。銃撃の音が聞こえる。だが、それに混じって、高くギターをかき鳴らして歌う声も聞こえる。彼にとって、歌うこと、ギターをかき鳴らすことは、銃撃と同じく闘いなのだ。もうすぐ彼は敵の銃弾に倒れるだろう。だが、それでもなお、彼は苦しい息のもと切れ切れに歌い続けるだろう。
 というストーリーのアニメを見終わったクライアントのM氏が「これよりもう一つの作品の方がいいのでは?」と言う。それに対して、ぼくは立ち上がって、次のように演説する。「いいえ、ぼくはそう思いません。なぜなら、この作品は歌うことと銃を撃つこととは同じだ。そういう作者の思いを伝える作品なのだから」。
 デパートの中を歩いている。ぼくは別のフロアの「中央通路」に出たいのだが、そこまでの行き方が分からない。うろうろしているうち、一つのドアに手をかけると、制服のデパートガールが「それは外へ出るドアですよ」と注意してくれる。だが、ぼくは「それでいいのだ」と思って、ドアをくぐる。
 確かにそこはデパートの外だ。上階だと思っていたのに、もう地上階だったのだ。ここをデパートの外壁に沿ってどんどん歩いていけば、センター通路への入口に行き着くだろう。だが、ちょうどデパートの中央部は工事中のシートがかけられていて、そこから中に入ることができないで、ぼくはそのままデパートの右端まで出てしまった。
 そこには大きな通りがあって、夜店の出店準備が着々と進んでいる。
 会社のトイレに入る。右奥の床に深い穴があいていて、そのはるか底の方に禿頭が見える。S印刷のK氏の頭だ。この穴の底の個室で、用を足しているらしい。ぼくは左手のデスクに座り、スーツを着たままでおしっこをする。誰かがぼくを呼びに来て、「もう行こう!」と言うが、用を足している最中だから、まだ立ち上がれないよ。

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