二日分の夢(途方に暮れる)

(6月26日の夢)
 社長の運転する車で秋葉原へ行き、ビルの駐車場に車を止めて、社長だけ降りる。車は普通の乗用車だが二階建てで、ぼくは二階の助手席に乗っている。
 社長がブレーキをかけ忘れたらしく、車は勝手に動き出し、右に左に大きく動いては戻る動きを繰り返す。そして、振り子のようにその動きがどんどん大きくなる。ブレーキを自分で引こうにも、二階席にいるぼくからは手が届かず、外を歩いている人たちに大声で助けを求める。だが、ガラス越しなので聞こえないのか、誰もそ知らぬ顔をしている。ここは秋葉原だから、誰も助けてくれないのだと思う。
 そこへやっと社長が戻ってきて、ブレーキを引き、また降りる。しかし、そのブレーキも効かず、車はまた左右にゆっくりと動き出す。また助けを呼ぶが、やっぱり誰も助けてくれないので、ぼくは車から飛び降りる。やっと、外に出て車を見てみると、少し動きが鈍ってきたようだ。
(6月27日の夢)
 ぼくの所属する企業グループが買収に合って、崩壊に瀕している。S社の営業マンのKくんも退職する予定だった。ところが出社してみると、新たに子会社として自動車販売会社ができ、Kくんが社長に抜擢されて、戸外の中庭のような陽の当たる広場で記者会見が行われているのに、びっくりする。
 それを横目に見ながら、ぼくはロビーに行き、なじみの印刷屋を探す。会って「ダイアリー」の校正を戻していると、偶然クライアントのF氏もそばにいて、黙ったままその校正を見ている。ぼくは1ページだけ抜けている校正紙があるのに気づく。そのページに赤字は入っていないはずだが、返却しないわけにはいかない。「きっとコピー機に置き忘れたんだ」とぼくは思い、慌てて取りに戻る。ビルは痛みが激しく、階段の踊り場の部分が大きく崩れて、そこは森や崖のようになっている。そこを通り過ぎて上階に行き、コピー機を見ると、なんとぼくは3ページも校正紙をそこに置き忘れているのだった。しかも、ないと思っていた赤字がいっぱい入っているし、引用されているデータはあまりにも古いものばかりだ。「急いで直さなくては!」と思い悩みながらロビーに戻ると、そこには印刷屋もクライアントもみんないなくなっていて、ぼくは途方に暮れる。

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