9月27日の夢(花畑のような入道雲)

 寝ていると、一人のはずなのに、部屋の中で足音がする。首筋に息までかかる。刺客がやってきたのかもしれない。このままナイフで殺されてしまうのだろうか。金縛りになった体をようやく起こして、部屋の隅を見ると、壁際に子猫がうずくまっているのが見える。なあんだ。猫だったのか。それにしても、どこから迷い込んだのだろう?
 隣室は病院になっていて、境のドアがあいて、院長が顔を出した。このドアから子猫も入ってきたのだろう。ドアの向こうではみんな忙しそうに働いているのだから、ぼくも起きなくてはと思い、隣に行く。そちらには二つのオフィスがある。手前がぼくの在籍するSCという会社で、隣がSPという会社だ。どちらもとても狭く、ごたごたとしている。
 SPのオフィスには一日一回清掃タイムがあり、全員で家具・什器の類を磨いている。足の踏み場もなく、散らかった室内で、ぼくは何か小さなものを水洗いしようとしている。そこには奥さんとその姑がいる。土間で犬のように姑は生活していて、用便も垂れ流しだ。それを奥さんは真空掃除機のようなもので、空気の圧力で吹き飛ばして掃除する。吹き飛ばしたのはいいが、汚物の撥ねが奥さんの顔に、まるでそばかすのように点々とくっついてしまう。奥さんは鏡で自分の顔を見て、泣き笑いをする。彼女は毎日、こんな辛い介護の生活をしているのだ。
 SPの部屋を出て、SCの部屋に戻る。部屋の一番奥には経営者の若い専務のデスクがあったはずだが、専務もそのデスクも見当たらず、ぽっかりとスペースが空いている。おまけに、ぼくの隣にあった友人のデスクもなくなっている。会社の外に出てみる。友人にはアルツハイマーの父親がいて、その父親といっしょにこの会社で働いていたのだが、父親がとうとう亡くなったらしく、携帯電話でそのことを誰かと話している。ぼくはそれには気づかないふりをして、崖のような斜面の石段を降りていく。そこは学校の校庭のように広い。ここはつくば市だ。東京の方向の空には入道雲が拡がっているが、雲はお花畑のようにカラフルだ。そして雷鳴も轟いている。

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