12月7日の夢(受賞パーティー)

 大阪に住む詩人のT氏がH氏賞を受賞したという(実際は十数年前に受賞している)。今日はその祝賀会があり、ぼくも新幹線に乗って駆けつけた。会場は畳敷きの座敷だ。そこで宴会をする。ぼくの前には女性詩人のIさんやNさんがいる。みんな東京からやってきたのだ。
 授賞式がやっと終わったらしく、主賓のT氏がやってきたのは、10時半を回ったあたりだ。彼が席にさいたところを見計らい、ぼくは東京に帰らなければと席を立つ。IさんやNさんも帰るのだと思っていたが、二人は大阪に泊まるという。帰るのはなんと、ぼく一人なのだ。びっくり。
 一人で会場のホテルを出る。表は夜の大通りで、車がひっきりなしに走っている。駅に行くには、どこでタクシーを拾えばいいだろうと考える。
 そこへ携帯が鳴った。出ると、電話をかけてきたのは、ホテルの係の女性で、「携帯のメールアドレスを教えてください。そうしたら、駅への道順を記した地図を送ります」と言う。しかし、ぼくは「道は分かりますから、いいです。大阪は何度も来ていますから」と、強がりを言って、電話を切ってしまう。
 案の定、駅のある方向も道も全く分からない。タクシーがたまり場にしている広場があった。ぼくはたむろしている運転手たちに向かい、「新大阪の駅まで行ってください」と大声で言う。運転手たちは意外にも殆ど反応せず、のろのろと車に戻ろうとするふりをするばかりだ。そんな中で、後ろの方に駐車していた一台の運転手が猛然と仲間の車を押し分けて、さっとぼくのところへ近寄ってきた。もちろん、ぼくはそのタクシーに乗り込んだ。
 走りながら、ぼくは運転手に「東京行きの新幹線の最終は何時?」と尋ねる。「多分11時過ぎでしょう」と運転手は答える。「間に合うかな?」というぼくの問いに、運転手は「いや、ぎりぎりでしょう」と言う。ええー、ここはそんなに駅から遠いのか。たとえ終電に間に合ったとしても、家に着くのは1時過ぎだなあと、がっかりする。

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