12月31日の夢(マリリン・モンロー)

 久しぶりに出社する。ずいぶん長く休んでいるが、夏休みみたいな長期の休暇で、その間にときどき出社日が設けられているらしい。
 ぼくの所属している広告部門の社員たちは皆忙しく働いているが、出版部門の社員は皆やることがないらしく、年賀状か何かを書いているだけだ。ぼくは仕事の引き継ぎのため、Yさんの資料の入った黒い四角い棚を引き出して、整理している。なんだか、どろどろの汚い棚だ。
 そこへK会長がやってきて、隣の会社にマリリン・モンローが来ているから、会いに行くと言う。社員たちは壁一枚隔てた隣の会社をわれがちに覗き、「あっ、今モンローと会った。もう見えなくなった」などと騒いでいるが、ぼくは無視して棚の整理を続ける。引き継ぎをするYさんも出てきて、棚の説明をしてくれるが、要領を得なくて、何を言っているのかわからない。そのうち、一番上に置いてある写真の切れ端について言っているのだと気がつく。彼女も「あっ、これについてだと言わないと、わけわかんないですよね。すみません」と言う。
 やっと棚の整理を終えて、手を見ると、重油がついていたらしく、手が真黒だ。手を洗おうと、台所に行く。そこには大きなボイラーのようなものがあり、そこからいくつも蛇口が出て、みんな熱い蒸気を吐いている。しかし、どの蛇口もなかなか手が届かないでいると、一見して外国人とわかる男が入ってきて、「こっちのは熱いが、この辺のはちょうどいい温度だよ」と教えてくれる。ぼくはこの会社で一番古株なのだが、新入社員だと思ったのかもしれない。台所には大きな窓があり、道路をたくさんの社員たちがぞろぞろ歩いて行くのと目が合う。

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