3月17日の夢(飛行機改造列車)

 今は戦争中だ。いや、これは映画で、ぼくと妻は日本が戦争をしている時代をCGで表現した映画に出演しているらしい。
 ともかく、ぼくと妻とは最新式の特急列車に乗ったのだが、流線型のかっこいいデザインのその列車はとても短い車両しか連結していない。女性の声で「この列車は飛行機を改造しましたので、車両が少なく、席には皆さま折り重なってお乗りください」というアナウンスが流れる。ぼくらは幸い座れたものの、このぼくらの上に何人も乗客が折り重なって、目的地まで身動きもできなくなるのだろう。ぼくは「サンドイッチを少し持っているから、お腹が減っても大丈夫だ」と妻を安心させる。しかし、トイレに行きたくなったら困るなと、少し不安だ。隣の線路を長い貨物列車が通過するが、どの無蓋貨車も荷物は一つも積んでいない。窓の向こうを新宿駅が通過する。床に大きな爆弾の穴があいているのが見える。
 制服を着た偉そうな男がやってきて、「山手線のなんとかという駅から電話が入ったか」と言って、ぼくの携帯を取り上げる。もうこの携帯を取り返せないかもしれない。まずい通話先が登録してあって、非国民扱いされるかもしれないと心配になる。だが、男は「携帯の中にいい詩が入っていた」と言い、ぼくの詩をみんなの前で朗読する。乗客たちは総立ちでそれに拍手を送る。そして、男は携帯をぼくに返却してくれたが、その詩がぼくの詩であるとはだれも思ってくれなかったようだ。

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