5月27日の夢(ズボン)

 街を歩いていて、いつのまにか自分がズボンをはいていないことに気づく。恥ずかしいから、古着屋でズボンを買おうかと思うが、裸というわけでもないから、そのまま歩き続ける。原宿の駅前で学生時代の友人のHに会う。彼もずいぶん年取ったものだと感心する。別れ際、ぼくは彼に「実はズボンをはいていないんだ」とレインコートの前をちょっとだけ開けてみせるが、いつのまにかまたいつもの白いズボンをはいていた。
 もう会社は退職したのだが、会社に行って個室で原稿を書いている。その個室は壁の中に塗り込められたようにしてあるので、社員でさえ個室の存在に気づかないかもしれない。仕事を終わり、ドアを開けようとするが、ドアの調子が悪く、うまく開かない。もし開かなければ、誰もこの部屋の存在に気づかず、ぼくは閉じ込められてしまうかもしれない。ようやく引き戸をこじあけて、オフィスの中に出る。もう夜なので、誰もいないのかと一瞬思ったが、一番後ろのデスクで一人の女性社員が残業をしていた。彼女はぼくに目をやるが、たいして驚いたようではない。

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