10月2日の夢(赤いセーター)

 Y社の広いオフィスに写真を届けに行く。広大なオフィスには沢山のデスクが並び、窓際に一番偉い人の席があるのが見える。今は昼休みらしい。見渡すが、ぼくが写真を届けるべき人が誰なのか、分からない。誰かに「○○さんはいらっしゃいますか?」と尋ねようと思い、入っていくと、奥にいる一番偉そうな人がいきなりぼくの名前を呼び、「誰を探しているの?」と親しそうに話しかけてきた。この人がぼくの探していた人なのだろうか。ともかく抱えていた紙袋から写真を出し、相手に見せる。まだ銀塩フィルムの時代らしく、ぼくの手渡したのはフィルム全体を一枚の印画紙に焼き付けたいわゆるベタ焼きだ。その人は「紙焼きはないの?」とぼくに言う。「まずベタで見ていただいて、選んでいただいたものを紙焼きします」とぼくは答える。周囲の人たちもえらい人のデスクに集まってきて、写真を覗きこむ。コンサートグランドピアノを弾くピアニストの演奏写真だ。ふと気付くと、ぼくは写真を入れてきた紙袋と、赤い色のセーターを床に落としてしまっていた。拾おうとすると、セーターを誰かの足が踏んづけてしまっている。引っ張って、やっと拾い上げる。それにしても、ぼくの名前を知っているこのえらい人は、誰なのだろうと考える。

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