10月20日の夢(映画の撮影)

 昨年まで在籍したS社。今、怪獣映画を撮影中で、会社はほとんど外部の撮影チームに乗っ取られたような感じだ。Uカメラマンの部屋へ行くと、彼は暇そうにベッドに寝転んで、文庫本を読んでいる。その手前では営業部長が母子と打ち合わせをしている。盗作スキャンダルで世間を騒がせた母子かもしれない。ぼくはしかたなく、すぐ引き返す。
 すると、街角でふいに後ろから、ぽんと肩を叩かれた。Uカメラマンである。「なんだい。打ち合わせ中なので、帰っちゃったのかい?」と磊落な様子だ。
 映画の打ち合わせが終わったらしい。撮影チームが一斉に動き出し、撮影がスタートする。その瞬間、Uカメラマンが小さなカメラを奪い取り、撮影チームを反対に撮影しだす。「おいおい、何をしているんだ」と撮影チームが騒ぎ出すが、無視する。
 現像したフィルムを試写する。「ほら、これ」とUカメラマンが画面を指さす。船を怪獣が襲撃するシーンだ。彼が何を指さしたのかわからないまま、ぼくは「どんな高さから、どう撮ったのか、これではわからない」と批評する。プロデューサーも「なるほど。あいつはどう模型を作るかはわかっていても、撮り方がわからないのだな」と言い、すぐに撮影中止を指示する。スタッフたちは皆、ほっとした表情で直ちに解散する。

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