11月30日の夢(悪夢)

 退職したはずなのに、まだ会社で働いている。クライアントのために、ラフを作って、プレゼンしなければならない。銀座の広い舗道には大きな電話ボックスのようなガラス張りの休憩所が点々と並んでいる。その中にいろいろな品物を置いては写真を撮る。その写真をレイアウトしてプレゼンするのだ。一つ一つボックスを移動しながら撮影するので、大変な手間だが、わざわざ移動する必要などないことに気づく。だが、外に出て振り返ると、もう休憩室には別の人が入っていて、戻ることができない。
 とりあえず会社に帰ってきて、手書きでラフを作り、癌でとうに死んだはずの社長のNに見せる。Nは一瞥して「気に入らんな」と言って、突っ返してくる。だが、ほかにどうしようがあるというのだ。大体、ぼくはこの会社を退職したはずなのに、なぜこんなことをやっているのだろう。
 目覚めると、隣の布団に父が寝ている。30年前に死んだはずなのに。布団をまたぎこすとき、少し父の体を踏んだようだ。廊下の窓から競技場が見える。そこで慶応のラグビー部が試合をしている。姿は見えないが、母の声がして、「さっきまでおばあちゃんが慶応の歌をうたって、応援していた」と言う。もちろん祖母の姿も見えない。寝床に戻ろうとすると、寝たまま父が「さっきおれを踏んだだろう」と、ぼくを詰る。あいかわらずいやなやつだ。

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