6月5日の夢(湘南分室)

 ぼくの会社には湘南分室がある。今日はそこに詰めていたが、暇なので午後1時頃もう退社しようと、靴を持って玄関に出たとたん、同僚に「どこへ行くの?」と声をかけられる。「仕事がないから本社へ戻るんだよ」とウソを言う。すると相手も「ぼくもそうしようか」と言うので、慌てる。ぼくは自宅へ帰ろうと思ったのだが、彼と一緒に本社へ戻った方がいいだろうか。
 後ろから声をかけられ、ギクッとして振り返ると、いつのまにか白髪の男とも女とも分からない異形の者が畳の上に伏している。老詩人のT氏のようだ。「これを持っていきなさい」と渡されたのは、猫の毛で作られたブラシだった。しかたなく、ぼくはそれで自分の髪をとかす真似をする。
 今度こそ本当に退社しようと、パソコンの電源を落とす。今はパソコンから離れた場所にある注射痕に貼る絆創膏ぐらいの大きさのリモートスイッチを押すだけですむから、とても便利だ。ところが隣席の同僚がパソコン本体を出してきて、それを付けたり消したりし始めた。パソコン本体といっても、それは昔のLPレコードのような形をしたものだ。その様子を他の社員たちも興味を持って見に集まってきた。これではまた帰れなくなるな。同僚が「このパソコン、誰の?」と言うので、しかたなく「ぼくの」と答える。

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