黄金まわしの相撲取り

 マンションの自室に黄金色のまわしをしめた相撲取りがいる。彼は手にした包丁で自分の腹をめった刺しにし、血だらけで床に倒れる。ぼくは相撲取りが暴れて、ぼくを刺すのではないかと恐れ、慌てて部屋を飛び出す。途中、男と女が一人ずつ加わり、三人でパニックになって階段を駆け下りる。遠くへ逃げ去ろうかと一瞬思うが、それより沢山の人のいるマンションの管理室が安全と判断し、そこに駆け込む。そこには多くの人々がいる。ぼくは恐怖にかられ、四方の窓をたえず監視し続けるが、相撲取りはやってこないようだ。そのうち男と女はいなくなり、ぼくは一人で管理室にこもり続ける。

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