7月11日の夢(取材依頼)

 クライアントから二人のタレントの取材を依頼される。街角で携帯を使い、取材先の女優の所属する劇団の事務所に電話しようとしていると、マイミクの女性Sさんがやってきて、隣に座る。初対面だが、いきなり「今妊娠しているの」と告げられる。妊娠させた相手は人気詩人のN氏だという。「産む気があるの?」と彼女に言いつつ、資料を取り出し、ぼくは劇団の事務所に電話する。
 マネージャーの女性は「一色さんから電話が来るのは分かっていました」といきなり言う。「でも、その人の写真も貸してくれというなら、ダメです。もう、そのお芝居も終わってしまいましたし」。断られるのは困る。なんとかして粘ろう。その女優の名前を呼ぼうとするが、思い出せない。慌てて資料を探すが、見当たらない。「もっと資料の紙があっただろ」と、Sを叱咤し、電話を地面に置いて、二人で探し回る。あった。携帯を手に取り、「もしもし」と言う。とっくに切れているかと思ったが、電話は切れていない。しかし、マネージャーはやはり「ダメです」としか言わない。しかたがない。「じゃあ、またの機会にお願いします」と言って、電話を切ろうとする。すると、マネージャーはとたんに声が心細そうになり、ぼくに電話を切らせたくない様子。「うーん、ほかにいい女優はいないですか」とぼくは言う。いつまでたっても電話は延々と終わりそうにない。

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