11月5日の夢(移動教室)

 ぼくは小学生で、学校にいる。女性詩人のWさんとお茶を飲んでいるうちに、一時間目の授業が終わってしまった。二時間目は受けなければ。どこの教室だったろうかと、廊下をさまよう。見つかった教室はバスの中だった。授業中にクラスメートの男子が福島で行われる現代詩のイベントに参加するツアーのチラシを配る。見ると人気詩人が揃い、とてもよい内容なので、ぜひ参加したいし、みんなにも勧めたいと思う。そう意見を述べると、男子は「でしょ? これから打ち合わせ会をやるんだけど、出ないか? 会費は一万円だよ」と言う。出てもよいと思い、自分の財布を覗く。中には米ドル紙幣がぎっしり。その中に数枚千円札が紛れ込んでいる。「お金がないから出られないよ」とぼくは答え、「そりかわり、このチラシを詩人たちに配ってあげるよ」と提案する。
すると男子は「いや、このチラシはもう残っていないんだ。それに、ここに書かれた詩人は出演予定としてぼくが勝手に書いただけで、本人のOKは貰っていないんだ」と言う。ぼくは「それならこのチラシをカラーコピーするしかないね」と答える。
 それからぼくは三時間目の教室を探しに行く。今度の教室は雨の降る古い商店街の軒下だ。そこで授業の始まりを待っていると、さっきの男子が蓋のあいたペットボトルを「これ、きみの忘れ物だろ」と言って、持ってくる。片方はぼくのものかもしれないので、飲んでみる。もう一方は明らかにぼくのものではない。彼は真新しいさっきのチラシの束を持っていて「新しいチラシを印刷所から貰ってきたよ。こういうものは代金引き換えになるんだ。きみにこれをあげるから十万円ぼくに払ってね」と言う。ぼくはそれではぼくが損するだけだと思い、「いいけど、そのかわりみんなからの参加費の振込先はぼくのところにするからね」と釘を刺す。

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