5月12日の夢(レールのない地下鉄)

 トイレへ行く。トイレの中には鉢植えの観葉植物とグランドピアノが置かれている。その間にある便器は蓋が閉まっている。蓋を開けると、指にねとっとした気持ち悪い感触がある。それに、便器の位置が微妙にぼくの立ち位置より左にずれている。随分と遠いが、しかたなく用を足し始める。そこへ小学生の男の子が入ってきて、その便器の正面に立ち、勝手におしっこをしだした。さらにどやどやと沢山の男性サラリーマンが入ってきて、トイレは満員になる。ぼくの後ろにも行列ができた。しかたなく、ぼくは便器のない場所で、グランドピアノの足をめがけて用を足すことにした。便器がないことがばれるのではないかと、ひやひやする。用を足し終え、慌ててチャックを引き上げ、逃げるように外に出る。外に出てから確かめると、ぼくは黒いズボンをはいている。これなら多少トイレでズボンを汚したとしても、目につくことはないだろう。
 非合法の集会に出る。銃を持って参加している若者もいる。ほかの参加者が「やっぱり銃は要りますよね」と声をかけ。若者は「ええ、いつ襲撃されないとも限りませんから」と答えている。ぼくは「そのかわり、銃刀法違反に問われる恐れもありますよね」と言うが、みんなしーんとしてしまう。場違いなことを言ってしまったらしい。
 集会が終わって、出口で靴をはこうとすると、別の男がぼくの靴をはいてしまっていた。だが男の足は大きすぎて、ぼくの靴に入りきらない。そのため、ぼくの靴を放り出したが、脱いだあとの靴はぺちゃんこにつぶれてしまっている。しかたなく、ぼくがつぶれたままの自分の靴をはくと、「この前もそういうことがありましたね」と声をかけてくる人がいた。「ええ、そうでしたね」とぼくは言う。
 それから地下鉄に乗って渋谷へ向かう。運転席の後ろに立って、前方の窓を見て驚く。地下鉄は黄色っぽい粘土のような土でできた狭いトンネルの中を走っているのだ。そして、そのトンネルにはなんとレールがない。いつから東京の地下鉄にはレールがなくなったのだろう?!

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